課題は若年層!コンビニ大手3 社の24 年度商品政策を徹底解説

解説:松澤圭子
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大手コンビニエンスストア(CVS)の2023年度のチェーン全店売上高や既存店売上高は揃って伸長した。コロナ禍の収束後、人々の活動が再び活発化し、CVSの利便性が再び需要を取り込んでいる。24年度はどのような商品政策(MD)を打ち出しているのか。対して食品スーパー(SM)はどのようなことを意識していくべきか。元セブン-イレブン・ジャパン(東京都)のマーチャンダイザーで、CVS各社向け商品開発のコンサルティングを手掛ける専門家が解説する。

セブン-イレブンは主力のおにぎりで差別化

 コロナ禍の収束に伴い人流が増大し、CVSの客数は回復基調にあるものの、コロナ禍以前の水準には戻っていない。CVSの客数の伸び率は、コロナ禍以前から鈍化傾向にあった。その要因として、SMの営業時間の延長やドラッグストアの食品強化、食品ECの台頭などが挙げられる。

 CVSの客層を年代別にみると、Z世代を中心とする若年層が少ない点が課題だ。CVSはフランチャイズビジネスの構造上、コストパフォーマンスのよい商品の開発を得意とせず、コスパを重視する近年の若年層のニーズと合致していない面がある。

 こうした状況の打開をめざすCVS大手3社が打ち出した24年度のMDでは、人流の増加に伴って売上が伸長中のおにぎりなどのカテゴリーと、スイーツのように目的買いされるカテゴリーに重点を置いているのが特徴だ。また、核商品であるおにぎりと合わせ買いされやすい総菜の商品開発も強化している。

 セブン-イレブン・ジャパン(東京都:以下、セブン-イレブン)は、基本的にこれまでのMDを踏襲しながら、直近の消費者の購買動向や、社会環境の変化に応じて品揃えを変化させている。

 核商品であるおにぎりでは、さらなる品質向上で差別化を図っている。23年3月に発売した「京の米老舗八代目儀兵衛」監修のこだわりおにぎりシリーズは、消費者から幅広く支持を集めた。京都の老舗米店である「八代目儀兵衛」との協業を通じて得た知見は、

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