24年夏の鮮魚MDを徹底解説!ポイントは盆商戦長期化とうなぎの総菜化

堀内 幹夫(エバーフレッシュ研究所)
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鮮魚部門にとって夏は「土用の丑」という一大イベントに加え、家族が集まる機会の多い夏休みの時期を迎えて大量目の刺身や寿司、BBQ商材など高単価商品の需要が高まる、年間を通じても大きな販売チャンスが続く時期だ。今年はコロナ明け2年目で帰省需要も昨年に増して高まる見込みで、事前の販売計画の策定は年間売上を左右する重要なミッションになる。

市況分析&今夏の方向性
うなぎの相場高続き土用の丑商戦に影響

 まずは昨年夏の販売動向を振り返っておこう。

 まず昨年の「土用の丑」は7月30日(日)で、土用入りが7月20日(木)。国産うなぎの相場は前年から2割高、中国産も円安の影響で同1割高というなかでの商戦だった。とくに国産うなぎの高値の影響で7月前半は厳しく、土用入りからはある程度盛り上がるも丑の日当日は前日が土曜日だったこともあってお客が分散したのか、多くの食品スーパー(SM)でうなぎの販売実績は前年の80~90%台で推移したようだ。

 7月の1カ月で見ても、前半の不振を土用期間でカバーできず、昨対割れとなった企業が多かった。

カット済みの商材のうなぎ
相場高が続くうなぎでは、カット済みの商材の需要も高まっている。国産特大サイズでも3分割すれば1パック1000円未満の値付けが可能

 他方、各社の予約販売のパンフレットなどを見ると、主力品の値引きは避け、限定品や付加価値商品を強く訴求することで、高単価商品のロス対策と主力品の値入れ率確保を重視する姿勢が見て取れた。

 次に8月の盆商戦。後半は九州地方を中心に西日本で台風の影響があったほか、全国的に記録的猛暑が続いたものの、盆商戦全体では対前年同期比で5%超の伸長を示したSMが多く、好調に推移した。

 コロナ禍も明けて帰省需要が拡大したなか、寿司や刺身の盛り合わせなど大型規格の商品のニーズが高まった。単品でも、サーモンを中心とした刺身用のサク物、BBQ向けのエビやカニ類、そのほかうなぎやイクラなどが好調だった。バチ・キハダのマグロ類や養殖ブリ、チリ産トラウトサーモンなどの刺身・寿司商材や、イクラ・筋子・紅鮭が相場安だったことは、盆商戦に大きく寄与したといえる。

 他方、タコの訴求期となる半夏生(昨年は7月2日)は、

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