3割の子供に味覚異常  乳児向け「食育だし」が舌を鍛える!

2020/03/27 05:45
兵藤雄之

人生100年時代を迎え、健康寿命(自立した生活を送れる期間)をいかに伸ばすことができるかが、楽しい老後を過ごすためのバロメーターになっている。薄味の食事は健康寿命の延伸に効果があるとされているが、薄味の食事を楽しむことができる繊細な味覚を育てるには、離乳期・幼児期に何をどのように食べるかが大切だ。ところがいま、味覚を正しく認識できない子どもが増えている。その問題解決に期待されているのが、乳児向けの「食育だし」などだ。

Photo by imacoconut
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味覚を正しく認識できない原因は?

 少々古いデータになるが、東京医科歯科大学の研究グループが2014年、小学1年から中学3年までの子ども約350人の味覚を調査した結果、「味覚を正しく認識できない子どもの割合は約3割」だったという。

 味を感じる舌の味蕾(みらい)は、子どものうちはどんどん増えて12歳をピークに減っていく。だから、そこまでに薄味に慣れておかないと、大人になったときに薄味には満足できなくなってしまう。子どものころから味蕾を鍛えることが重要なのだ。

 最近では家庭で料理をする機会が少なくなり、添加物や化合物を多く含む、味付けの濃いファストフードやコンビニ食を食べる機会が増えている。味覚は次第に衰え、濃い味付けでなければ、満足できない、そうした人たちが目立ってきている。

 

乳児の成長段階に合わせた「だしシリーズ」

「作り手が、自身の子供に食べさせたい。そんな安心・安全で美味しい商品を提供します。」を、社としての思いをとして掲げる博多の味本舗(福岡県/中村謙一社長)。

 同社では、福岡女子大学と産学連携し、同大学 国際文理学部食・健康学科 食品学研究室(石川洋哉教授)と共同で、赤ちゃんの成長段階に合わせた4種類の無塩・無添加天然だしを開発した。Oiseries(オイシリーズ)の「赤ちゃんだし」、「食育だし」で、「乳児用規格適用食品」(厚生労働省が策定した食品中の放射性物質の新基準において、一般食品より低い基準値が適用されている)だ。

 このオイシリーズで提案する4段階のステップは次のようになる。

 第1ステップは、生後5ヵ月からの「赤ちゃんだし(こんぶ)」。昆布には母乳と同じ旨味成分のグルタミン酸が含まれており、赤ちゃんは味の大きな変化を感じることなく、離乳食の第一歩をスタートできる。

 第2ステップは、生後6ヵ月からの「赤ちゃんだし(かつお)」。ここで赤ちゃんは、人間と同じ動物性のイノシン酸が含まれる本枯れ節と荒節をブレンドしただしを味わうことになる。

 第3ステップは、生後7カ月からの「赤ちゃんだし(ミックス)」。うまみは足せばたすほど、おいしくなる。うま味の代表的な物質は、グルタミン酸、グアニル酸、イノシン酸だが、生後7カ月からの「赤ちゃんだし(ミックス)」は、昆布(グルタミン酸)、かつお(イノシン酸)、シイタケ(グアニル酸)の3つを合せることで、赤ちゃんは本格的なうま味を体験する。

 第4ステップは、生後1歳以降の乳幼児向け離乳食に適した「食育だし(かつお・しいたけ・昆布・いりこ・焼あご・さば)」だ。大人用のだしとほとんど同じものだが、塩分をいっさい含まない。塩味になれた大人には少し薄く感じる味だ。

 

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