「ビーガン」よりも「プラントベース」? 行動・意識調査に見るサステナブル消費のリアル

日本大学大学院総合社会情報研究科教授 加藤 孝治
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「プラントベース」を
意識する人は約3割に

 まず、消費者は、食品を選択する際に「健康」「簡便性」「倫理」に対してどの程度意識しているか、コロナ禍による影響と合わせて質問した(表1)。

表1
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 結果を見ると、「倫理」に対する意識は、「健康」「簡便性」に対してかなり低い水準に留まっていた。ただし、コロナ禍を経て、意識が着実に高まっていることは調査結果からも明らかだ。もちろん、この変化はコロナ禍の影響だけでなく、SDGsへの取り組みが社会的に行われるようになった効果もあるが、倫理的な消費行動へと変化しつつあることは認められよう。

 次に、具体的な商品分野を挙げて「エシカル」を意識して購買しているか聞いた(表2)。すると、「低残留農薬・減農薬商品」は半数近くが意識し、「プラントベース食品(動物性たんぱく質を植物性に転換したもの)」「CO₂排出の少ない商品」「人権や森林資源に配慮した商品」などは3割程度まで意識が高まっている。

 一方、「昆虫食」「ビーガン商品」などのスコアは低く、むしろ、商品の存在を知らないという回答が多かった。

表2
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