紙パックの普及からリサイクルまで、イオン、ライフ、ビオセボンが推進する環境への取り組みとは
紙容器の普及のみならず、使用済み紙容器のリサイクルにも力を入れている日本テトラパックは、循環型社会の実現に向けた取り組みを新たに始動させた。それが、アルミ付き紙容器から段ボールへ再生させるリサイクルシステムだ(図表❸)。
実は、日本国内におけるアルミ付き紙容器の大半は焼却処分されている。紙繊維とポリエチレン・アルミ層へ分離する技術と設備を兼ね備えたリサイクル工場を西日本で強化するため、タッグを組んだのが王子ホールディングスだ。
「環境・社会との共生」を経営理念の一つに掲げる王子グループは環境問題への取り組みを積極的に行っており、同社と想いが一致したのである。
「このリサイクルシステムは、店頭や自治体などから回収するアルミ付き紙容器のほか、当社および食品・飲料メーカー様の工場から排出される損紙も回収し、王子グループの工場で段ボールにリサイクルします」と話すのは、日本テトラパック サステナビリティディレクターの大森悠子氏。
店頭回収が全体の4割
これまで紙容器のリサイクルといえば、トイレットペーパーやティッシュが一般的だったが、国内で初めて段ボールとしてリサイクルするシステムを確立した。
新たな最終製品が増えることで、アルミ付き紙容器のリサイクルを広げていきたいと大森氏は力を込める。実際、回収に協力する小売業からも意義のある取り組みだと高評価だ。
「店頭回収は、使用済み紙容器の回収チャネルとして一番大きく、全体の4割を占めており、身近な回収拠点です。現在、店頭で回収されたアルミ付き紙容器をリサイクルした再生段ボールが、食品・飲料メーカー様にて採用されるよう取り組みを進めています。それにより、食品・飲料業界全体の循環型社会の実現とその可視化、環境価値訴求が可能になると考えています」(大森氏)