コロナ禍でいまも打撃受ける中国外食業界 「小型化」が進む理由とは
中国では新型コロナの感染拡大が続き、飲食店が再び打撃を受けている。2021年は感染状況が落ち着き客数はかなり回復したものの、22年になって減少傾向に戻り始めている。状況は地域によって異なるものの、一般飲食店で昨年の5~6割、ファストフード店で7~8割に売上が減少しているとされ、今後の感染状況によってはさらに減ることが懸念されている。
一方、こうした厳しい環境下をうまく切り抜けている飲食チェーンも存在しており、業界の注目を集めている。その1つが「紫光園」というチェーンだ。中華レストラン25店舗、ファストフード業態40店舗、市中の飲食スタンド70店舗を展開し、「地元密着」を信条にしている企業である。
実際に主要顧客は近隣住民で、朝食、昼食、間食、宴会などあらゆるシーンで利用されている。固定客が多いため、いったん感染状況が落ち着くと客足の戻りが早く、また、飲食スタンドはコロナ禍でのテイクアウト需要を取り込んだ。
紫光園の成功に影響を受ける外食チェーンも少なくない。羊肉のしゃぶしゃぶ専門チェーン「東来順」や、四川火鍋の「海底撈」は、「固定客の重要性」「飲食スタンドの強さ」に注目し、すでに「地元密着型」の店舗展開戦略を推進している。
効率重視の「小型化」が進む
中国の外食業界においてもう1つ注目されているのが、「小型化」のトレンドだ。たとえば中国国内で約2600店舗を
チャイナ&アジアトレンド の新着記事
-
2024/11/18
不況で飲食店がバタバタ倒れる中国 FC飲食店は急増している理由とは -
2024/10/18
スタバが劣勢、ラッキンも抜く?中国カフェ「コッティ」したたかな戦略とは -
2024/09/21
アマゾンの成長減速の一因がシーイン、Temu の躍進だと言える理由 -
2024/08/15
無料ネイルサロン提供する異色の中国火鍋チェーン、次なる一手 -
2024/07/05
中国でサイゼリヤが絶好調の理由と追いかけるピザハットの戦略 -
2024/06/07
中国、不況反映の消費トレンド「平替」で伸びるブランド、沈むブランド
この連載の一覧はこちら [47記事]
関連記事ランキング
- 2022-12-19プレナスが創業家によるTOBで上場廃止へ! 今後の上場オーナー企業の在り方を考察
- 2022-11-25‟超”拡大する冷凍食品市場 食卓の異変と冷食の進化、小売業の新しい売場づくりとは
- 2023-04-07好調の「バーガーキング」社長インタビュー 28年末までに店舗数を3倍弱に増やす計画を語る
- 2024-09-27丸亀製麺がはなまるうどんに大きく差をつけた「逆張り戦略」とは
- 2024-09-12日本マクドナルドHD、24年度上期大幅営業増益の理由とは
- 2024-01-18物語コーポレーション、初のファストカジュアル「焼きたてのかるび」にヒットの手応え
- 2020-10-02サイゼリヤでアルバイトした星付きシェフが心底驚いた徹底「カイゼン」の凄み
- 2021-05-12元ファストリ社員が北九州のうどんチェーンを「人材育成企業」に変えるまでの道筋
- 2023-01-09閉鎖か、それとも衣替えか……崖っぷち居酒屋チェーンの現在地
- 2023-08-03ロイヤルホストがコロナ前よりも売上水準が上がっている複数の理由とは