売上1500億円突破!拡大基調に入ったリドルの米国戦略

鈴木 敏仁 (R2Link代表)
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 ハードディスカウンターのリドルがペンシルベニア州で約28万㎡の土地を取得、新たな配送センターを建設する予定であることが報じられた。土地取得段階なので確定したわけではないのだが、リドルによる米国戦略はぶれることなく拡大路線を取っていることがわかる。

 私が調べる限り、現在稼働している配送センターの数はノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州の3カ所、ジョージア州に1カ所が建設中なので、今回の計画は5カ所目ということになる。地図を眺めると東海岸を縦方向にカバーしようとしていることがはっきりわかるのである

 業界誌のデータによると、米リドル(Lidl US)の2021年度の推定年商は12億7500万ドル、店舗数は170店舗となっている。日本で言うならばすでに1000億円ラインを突破しているということになる。

22年4月にオープンしたニューヨーク・マンハッタンの店舗
22年4月にオープンしたニューヨーク・マンハッタンのリドルの店舗

 1号店のオープンは17年のことだ。当初は計画どおりに進まず責任者が更迭されるなど紆余曲折があり、私も売場を見る限りハードディスカウンターとしてどうなのかと思うところが多々あったのだが、戦略に変更なく米国で着々と地歩を固めつつあるようだ。

 ちなみにドイツに本社を置くリドルは32カ国に1万1550店舗を展開するグローバル企業である。

紆余曲折を経て市場へ徐々に浸透

 米リドルの出店戦略は郊外のフリースタンディングが基本だ。窓が多い独特なデザインを採用しているのだが、太陽光を利用することで照明コストを抑える目的だと説明されている。この独特なデザインのためにフリースタンディングで

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記事執筆者

鈴木 敏仁 / R2Link 代表

在米30年以上、現在はロサンゼルス在住。1997年にアメリカでS.M.R., Inc設立、米国流通業界を軸としたコンテンツ作成ビジネスを開始。また企業が実施する米国流通研修の企画およびコーディネートも合わせてスタート。1998年にリテールウェブを開設。年間訪問店数はのべ600店舗超、現場検証に基づいた分析をモットーとする。

著書

『ソリューションを売れ!』(ニューフォーマット研究所)
『誰も書かなかったウォルマートの流通革命』(商業界)

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