人工肉の米インポッシブル・フーズ、株式上場に向け協議=関係筋
[8日 ロイター] – 植物由来の人工肉を製造している米インポッシブル・フーズが、株式上場に向けた協議を進めていることが分かった。企業価値は100億ドル前後と算定される見通し。事情に詳しい複数の関係筋が明らかにした。
企業価値は2020年の資金調達ラウンド時の40億ドルを大きく上回ることになる。人工肉に対する需要の高まりを反映した形だ。
関係筋によると、インポッシブル・フーズは向こう12カ月以内に新規株式公開(IPO)を通じ、もしくは特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じた上場を検討している。
インポッシブル・フーズは有利なバリュエーション提案を受け、金融アドバイザーと協力し、SPACとの協議を進めているという。
ただ、関係筋は、SPACを通じた上場の場合、IPO以上にインポッシブル・フーズ既存株主にとって株式の希薄化が進む可能性があると付け加えた。
また、協議は市場環境に左右されるほか、インポッシブル・フーズが新たな民間からの資金調達ラウンドを選択する可能性もあるとして、注意を促した。
インポッシブル・フーズはコメントを避けた。
同社は、ベンチャーキャピタルのコースラ・ベンチャーズやホライゾンズ・ベンチャーズのほか、テニスのスターであるセリーナ・ウィリアムズ選手やラッパーのJay-Zさんら有名人の支援を受けており、PitchBookのデータによると、プライベート市場でこれまでに15億ドルを調達している。
グッド・フード・インスティテュートと植物由来食品協会(PBFA)の報告書によると、米国内の植物由来食品の小売販売額は20年に70億ドルとなり、前年比27%増加した。
2011年創設のインポッシブル・フーズは、スーパーなどで人工肉バーガー・ソーセージを販売しているほか、バーガーキングやディズニーなどとパートナーシップを結んでいる。
これまでに明らかにされているところによると、インポッシブル・フーズ製バーガーが販売されている店舗数は過去1年で150から2万以上に増えている。