米メイシーズ、新中期計画で125店舗を閉鎖、低価格業態や小型店の出店を増やす

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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米メイシーズ外観
本社機能はニューヨークに集約し、間接部門の人員を2000人減らす

 米大手百貨店のメイシーズは2月4日、3年間で約125店舗を閉鎖する新中期計画を発表した。本社機能を統合して人員を削減するなどコスト削減を進める一方、EC(インターネット通販)事業への投資を強化。また、低価格業態や小型店の出店を増やす。

 郊外型ショッピングモールの核店舗として出店している百貨店業態は収益力が落ちていることから、今後3年で125店舗を閉鎖する。このうち30店舗ほどはすでに閉鎖の準備を進めている。閉鎖店舗の年間売上高は合計で約14億ドル(約1500億円)となる。

 EC事業「メイシーズ・ドット・コム(macys.com)」の本部をサンフランシスコからニューヨークに移転するほか、オハイオ州シンシナティなどに分散するオフィスをニューヨークに集約し、間接部門の人員を約2000人削減する。そのほか、物流網の再編などによる効率化を進め、中期計画の初年度に6億ドル、2022年末までに合計で15億ドルのコストを削減する。

 一方、売り上げ規模が60億ドルになっているEC事業への投資を強化する。ジョージア州アトランタにテクノロジー部門の拠点を置き、人員を増やす。ウェブサイトやアプリへの投資も増額する。

 同社は低価格業態として「バックステージ(Backstage)」と「ブルーミングデールズ・ジ・アウトレット(Bloomingdale’s The Outlet)」を展開しているが、今後3年で既存の百貨店内に50店舗、独立店として7店舗のバックステージを出店する。

 さらに、2月6日には新業態「マーケット・バイ・メーシーズ」の1号店をテキサス州ダラスに出店した。既存の百貨店業態よりは小型で、衣料品を中心としたオリジナル商品のほか食品や飲料を含む地域商品を販売する。郊外の大型ショッピングモールではなく、ライフスタイルセンターと呼ばれる都市部の商業施設にこの新業態を出店していく方針だ。

 同日発表した20年1月期通期の売上高(暫定値)は前期比約2%減の245億ドル(約2兆6900億円)、既存店ベース(直営のみ)では0.8%減だった。店舗の閉鎖を進めることもあり、21年1月期の売上高は236億〜239億ドルに減少する見通しだ。

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