U.S.M.H中間決算、いなげや加入で大幅増収も最終赤字に……テコ入れ策は?
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/井出武美社長:以下、U.S.M.H)は10月9日、2026年2月期の中間決算を発表した。24年11月にグループ入りしたいなげや(東京都/本杉吉員社長)の業績がフル加算されたことにより、大幅な増収となったものの、人件費増加や粗利益率悪化により2年連続の最終赤字を計上した。下期はどのような改善策を打つのか。10月9日に開催された決算説明会の内容をレポートする。

売上高は大幅伸長も利益面で苦戦
U.S.M.Hの26年2月期上期業績(連結)は、営業収益が対前年同期比33.4%増の4779億円、営業利益が1億6800万円(前期は6億5000万円の営業赤字)、経常利益が3200万円(前期は5億2100万円の経常赤字)、親会社株主に帰属する中間純損失が12億1000万円(前期は純損失21億4200万円)だった。大幅な増収となったことで、営業利益・経常利益は前年同期から黒字転換、最終損益も赤字幅こそ縮小したが、2年連続の最終赤字で着地した。
傘下の事業会社4社のうち、マルエツ(東京都/本間正治社長)は増収増益と堅調に推移した。一方で、カスミ(茨城県/塚田英明社長)とマックスバリュ関東(東京都/平田炎社長)は増収だったが、営業利益以下の各利益段階が赤字となった。
24年11月に経営統合したいなげやは、統合前の同期間連結実績の参考値との比較で増収となった。前中間期は政策保有株売却益があったため、純利益では一時的に減益となっている。
売上高では、いなげやの統合効果が反映されたことに加え、「トップバリュ」をはじめとしたプライベートブランド(PB)の販売拡大、生鮮・総菜の強化が増収に寄与した。また、新規出店(マルエツ4店、カスミ1店、いなげや3店の計8店)も売上伸長に貢献。一方でマルエツで3店の退店があったことで、中間期末時点の総店舗数は25年2月期末時点から5店舗増の665店となった。


利益面では、加工食品・日配食品の商品機能を集約し、仕入れを統合した効果により、売上総利益率が28.4%と前中間期並みを確保した。また、各事業会社の人事、総務、デジタル等のバックオフィス機能を集約したことで人件費率・販管費率を抑制した。しかし、それでも人件費は同31.1%増と大幅に増加しており、販管費の増大が利益面を圧迫した。
また、上期中に強化を図った総菜では、各事業会社が粗利益率を落とした。5月に社長に就任したU.S.M.Hの井出武美社長は「原材料・資材の高騰に対応できなかった」と振り返り、販売価格への転嫁が不十分だったとしている。






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