値上げ時代、スーパーマーケットが取るべき価格戦略とそのための仕組みづくりとは何か?

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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価格戦略大

相次ぐ値上げとコロナ特需の終焉

 値上げが止まらない──。原材料の高騰をはじめ、エネルギー価格の上昇による物流費や光熱費の負担増、ウクライナ紛争など世界情勢の変化……。さまざまな要因が重なり、あらゆるモノの値段が上がっている。直近では、一時的に1ドル=150円を超えるなど、急速な円安の進行により、原料の調達や製造を海外に依存している商品は大きな影響を受けている。

 このような厳しい外部環境では、メーカーや卸が従来の価格を維持することは困難だ。今年に入ってから数多くの商品が値上げされており、2022年10月でも約6500品目の価格が上昇。さらに11月1日からは牛乳などの乳製品や菓子などを中心に765品目の値上げが発表されている。

 こうした状況下では、食品スーパー(SM)をはじめ、食品小売各社も販売価格を上げざるを得ない。ここ1~2年はコロナ禍による特需で追い風が吹いていたが、外食や旅行のニーズが回復する一方で反動減に苦戦する食品小売各社。ここに値上げ問題が加わり、再び厳しい向かい風にさらされるかたちとなった。

 さらに、コロナ禍の不景気も相まって消費者の節約志向はますます高まっている。給与水準が上がらないなか、消費者が店を選ぶ基準として価格を重視するようになるのは自然な流れだ。

食品スーパーの価格POP
価格は消費者が店を選ぶうえでますます重要になっている

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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