ロピア上陸で再編機運高まる北海道食品流通 炙り出される“非3極”の苦悩
2024年11月、生鮮ディスカウントスーパーのロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)が「イトーヨーカドー屯田店」(札幌市)の跡地に居抜き出店し、北海道に上陸する。
25年に入ると、いずれも「イトーヨーカドー」跡である「福住店」「琴似店」をオープンさせ、札幌市内3店舗体制を築く。ロピア参入で価格競争が一段と激しくなり、道内のスーパーマーケット(SM)業界の勢力図に変化が起きるという見方が強い。
競争激化も3極構造は揺るがず?
北海道のSM(総合スーパーを含む)業界は、アークス(猫宮一久社長)、イオン北海道(青栁英樹社長)、コープさっぽろ(大見英明理事長)による「3極体制」が構築されている。
帝国データバンク札幌支店が公表している「北海道内スーパーストア売上高ランキング」(地元資本対象)の直近公表資料(2022年度分)によると、道内売上高1位はイオン北海道(3396億円)、2位はコープさっぽろ(3174億円)、3位はアークス(3116億円)となっている。
イオン北海道は衣料・住居余暇などを、コープさっぽろは宅配の「トドック」を含むため、リアル店舗の食品領域ではアークスが唯一3000億円を超え、トップシェアを握っている。
そうした中、24年2月にイトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)が北海道からの撤退を発表した。24年2月時点でイトーヨーカ堂は道内に6店舗(現在は2店舗)を展開しており、当時の売上高は約470億円。単純計算すると1店舗当たり約78億円で食品に限れば約50億円といったところだった。
そしてそのうちロピア親会社のOICグループ(神奈川県/髙木勇輔代表)が引き継ぐのは3店舗。今後は3店舗分の売上高、つまり150億円前後をどれだけ増やせるかというのが焦点となる。そういう意味では業界全体に及ぼす影響は軽微といえるが、ロピアと相まみえる既存店舗への影響は局所的とはいえ激しくなりそうだ。

アークスの中核子会社、ラルズ(北海道)の松尾直人社長は身構える。「かつて、当社はディスカウントストア(DS)で台頭したカウボーイに徹底抗戦したが、同社を承継したトライアルカンパニー(福岡県/石橋亮太社長:以下、トライアル)にはそれほど抗戦してこなかった。
しかし、そのことが
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