売上6000億円超のコープデリ連合会、宅配利益率4%も危機感の理由
関東・信越の1都7県の地域生協からなる生協最大の連合会であるコープデリ生活協同組合連合会(埼玉県/熊﨑伸代表理事理事長:以下、コープデリ連合会)。宅配、店舗ともに競争が激しい首都圏を事業エリアに含む同連合会では、商品力や広報力を強化して組合員の確保につなげようと、地道に課題解決に取り組んでいる。
店舗・宅配は増収増益も利用人数確保に課題
コープデリ連合会会員6生協の2023年度の総事業高(営業収益に相当)は前年度から微増して6160億円、経常剰余(経常利益に相当)は対前年度比32.4%増の190億2700万円で増益となった。22年度は経常剰余が対前年度比28.7%減の143億円と減益で着地したが、1年で盛り返したかたちだ。供給高(売上高に相当)は同1.4%増の5889億円で、宅配、店舗ともに増収増益だった。
代表理事専務理事の大川昌彦氏は「総菜やベーカリー、即食系の冷凍食品の伸長が継続している。コロナ禍以降伸び続けていて、22年は若干鈍化したが23年は伸長している」と振り返る。こうした商品はコロナ禍で増えた内食需要を受けて売上が伸びたが、大川氏は「行動制限が解除されて外出が増える一方で、家計が苦しい状況は続いており中食のニーズが高まった」と分析。需要を取り込もうと商品開発や売場づくりで対応したとする。
また、物価高に対応するため、全国の生協とともに行っている一部商品を特別価格で提供する「くらし応援全国キャンペーン」も23年度から継続中だ。24年9月からは第3弾を開始。コープデリでは店舗で約480品目、宅配で約220品目を対象に実施しており、供給高の増加につながった。
ともに増益だった宅配、店舗事業だが、客数の確保という点からみると状況は異なっている。店舗は供給高が同3.4%増の1416億円と好調。物価高で客単価が上がったところに利用人数が前年から伸びたことが寄与した。一方、宅配の供給高は同0.8%増の4471億円。セールを控えたり、店舗と同じく客単価が上がったことで支えられたものの、利用人数は同0.9%減と下回った。
24年度に入っても8月末時点で利用人数は減少しており「黄色信号が灯っている」(大川氏)。コロナ禍で宅配需要は伸びたものの、増加した組合員の利用に直接つながらなかった。店舗についても「買い回りができるので、消費者はその時々の価格に敏感に反応する。われわれも店舗の改装や新店で底上げを図っているものの、首都圏の主要チェーンには後れをとっている」と危機感を隠さない。
供給高の多くを占める宅配を伸ばすために、新たな取り組みにも着手している。たとえば、
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