シニア女性に絶大のカーブス 安定の“物販収入”依拠と躍進チョコザップの影響とは

2024/02/01 05:59
油浅 健一
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まさに堅調。女性専用フィットネス「カーブス」を展開するカーブスホールディングスがさきごろ発表した2024年8月期第1四半期決算は、売上高75億円(対前年同期比8.8%増)、営業利益10億円(同63.9%増)と大幅増収増益となった。会員数は80.9万人となり23年8月期末比で3.2万人純増となった。店舗数も1971店舗となった。激戦のフィットネス業界で安定した強みを際立たせている。
なお昨年10月に発表した23年8月期通期決算は、売上高300億円(前年比9.1%増)、営業利益38億円(同40.4%増)でコロナ前を超え、過去最高としていた。

カーブス店舗(2F)
カーブス店舗(2F)

強みが隠されたチェーン売上

 コロナ禍、多くが苦戦を強いられる中、大崩れせず、手堅く歩を進めてきたカーブスホールディングス。その強さを示す数字が、「チェーン売上」だ。これは、フランチャイズ店を含めた末端売上、全店の会費・入会金売上および会員向け物販売上の合計額を示す。

 23年8月期は通期で713億円はコロナ前を超え過去最高、直近の24年8月期第1四半期は189億円で、対前年同期比11.1%増となった。実はこの数字の中に、コロナ禍でも堅調だった同社の秘密が隠されている。

 どういうことか。カーブスホールディングスの売上構成比で多くを占めるのは会員向け物販で、実に56.8%(24年8月期第1四半期)となっている。次いでロイヤルティ収入、直営事業と続く。つまり、同社はジムに多くの会員が通うこと以上に、その後、同社のプロテインなどの物販収入が大きな収益源となっているのだ。ジム通いに制約が出たコロナ禍でも大きなブレがなかったのは、そうしたことも一因といえる。なお、これはジムの会費は一部直営を除けば、フランチャイズオーナーのもとに入りその一部がロイヤルティ収入のかたちでカーブスホールディングスの売上として計上される一方、ジム会員に販売した物販の売上はカーブスホールディングスの売上として計上され販売手数料をFC店に支払うためだ。

際立つターゲット設定と運営の巧みさ

 こうした同社の売上構成を支えるのが、ターゲット設定と運営の巧みさだ。女性専用のカーブスのターゲットは主に60歳以上のシニア。だからこそあえて、ハードなトレーニングではなく、負荷の少ないマシンによる30分限定のサーキットトレーニングを提供。さらに必ず指導員が常駐するスタイルをとることで継続性をサポートしている。

 女性専用で通いやすく、負担なく続けられるメニューで続けやすく、指導員がいるから安心でき、近所にあるために知り合いもいて気軽に行けるーー。もうこれだけで、大崩れしない理由の説明はつくだろう。さらにプロテインを購入し、会員同士でその効果や感想を情報共有しやすい環境も揃っており、全てが理にかなっている。

 その意味では同社はジムではあるものの、実質的にはシニア女性の活き活きをサポートする憩いの場といえるだろう。早い段階から高齢化時代を見越した緻密で巧みな戦略が、うまくはまった結果が今なのだ。

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