半分以上のビジネスパーソンが勘違い!キャッシュフローと運転資本を正しく理解する方法

河合 拓 (株式会社FRI & Company ltd..代表)
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キャッシュフローの中身を正しく理解する

さて、こうした自助努力をし、運転資本をニュートラル、あるいはポジティブにし、売上を横ばいにすることに成功したら、いよいよ、投資フェーズに移行する。その投資戦略如何で投資家ははじめて資金を投下することになる。

キャッシュフローには3つがある。一つが営業キャッシュフロー、二つ目が投資キャッシュフロー、そして最後に財務キャッシュフローである。なんだか難しそうだと見えるが、考えてみれば、これも至極当たり前のことをいっているだけで、何もむずかしくない。

営業キャッシュフロー

給与の例で云えば、あなたは手取り30万円のなか、生活を切り詰めて毎月25万円で生活できるよう工夫した。毎月5万円の貯金ができる。気分も前向きになったので、会社の中で大きなプロジェクトに手を上げた。会社は、そのアイデアに数百万円の資金を準備してくれた。あなたは、そのお金を有効に使い、大成功をした。

するとあなたは、毎月の手取りに加え、ボーナスとして一年間に60万円もらえることになった。月になおすと毎月5万円だ。これが、営業キャッシュフローだ。営業というと、一般ビジネスパーソンは、「企画」「生産」「販売」の販売の部分で、英語で言えばSellingと勘違いしがちだが、会計の世界では、企業活動そのものを営業という。営業活動といえば、会社が回っている状態だ。そこに、あなたは会社の期待を見事に上回る結果を出し「営業」で現金の「入り」をプラスにしたのだ。これを営業キャッシュフローといって、売上が右肩上がりであれば、必ず貯金できるお金は増えてゆき、運転資本にも余裕がでる。

投資キャッシュフロー

次に投資キャッシュフローだ。あなたは、このプロジェクトを成功させるため、ビジネス書を10冊買って、仕事後には「河合拓の夜間講座」も受講した。併せて20万円かかった。しかし、その結果、頭の中が整理できプロジェクトもロジカルに進めることができて60万円の営業キャッシュフローを新たに生み出したわけだから、この投資は成功したと言える。これに対してよく似た言葉に「投機」「消費」というものがある。

この違いがわかるだろうか?

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記事執筆者

河合 拓 / 株式会社FRI & Company ltd.. 代表

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

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