業務を「見える化」するSOAとは?マニュアル作成は急がば回れ まずは下書きからはじめよう 

鍜治田 良(公益財団法人 日本生産性本部 主任経営コンサルタント)
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業務基準書(マニュアル)を活用した現場作業の改善について、実際の事例をまじえながら解説する連載「マニュアル活用! 店舗経営者のための現場改善」。第2回では「業務基準書作成の流れと優先順位づけ」についてお伝えしました。今回は「業務基準書の骨格づくり」についてお伝えしていきます。

D3Damon/istock
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下書き作成で業務の問題点を洗い出す

 通常、業務基準書を作成するというと、頭の中にある業務の手順をパソコンできれいにまとめることを想像する人も多いと思いますが、最初に行うのは骨格(下書き)の作成です。骨格とは、業務基準書のポイントを抜き出したものです。業務を作業レベルに分解し、洗い出していくのです。

 骨格をつくってから業務基準書を作成すると手間と時間がかかると思いがちですが、そのイメージとは逆にスピードは速くなります。最初から下書きをせずにパソコンで作成するのは一見効率的なように感じますが、何を書くかがまとまっていないと、作成と修正の繰り返しが続き、時間がかかることが多いのです。しかし、骨格をつくったうえでパソコン作業に入ると、文章化するだけなので比較的短時間で済みます。考えながら作成するのではなく、考えることと作成することを分けることで、作成時間は短縮化されるのです。

 また、業務の問題点が明確になるというメリットもあります。作業手順やポイントを書き出すと、ムダな作業に気づいたり、人によって作業方法が異なることがわかったりします。とくに小売・サービス業の場合、人によって作業のやり方が異なることが多いので、骨格を作成した時点で共有し、作業のやり方を統一することが重要です。ここで統一しておかないと、業務基準書を現場に配布したあとに修正の依頼があったり、「記載されている方法では現場は回らない」などの意見が届いたりするのです。業務の問題点や事前の合意形成を図るうえでも、骨格を作成することは重要なのです。

 ある企業では骨格をつくった段階で、店舗ごとに業務のやり方がまったく異なっていることが判明しました。また、議論を通じて、生産性の違いは作業方法の違いに起因することもわかりました。その企業では、生産性の高い店舗と低い店舗の骨格を比較することで、作業の流れの違いを「見える化」し、よりよい作業の流れをつくっていきました。これまでは本部が作成したマニュアルを一方的に配布していたため、現場の反発が強かったのですが、骨格の段階で時間をかけて議論することで、現場の当事者意識が高まり、浸透しやすくなったのです。

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