レシートは語る 第2回まいばすけっと コロナ禍での利用実態が明らかに!

ソフトブレーン・フィールド IT戦略部部長 山室直経 
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コロナ禍で高まる
スーパーとしての存在感

 最後に、「まいばすけっと」の購入カテゴリーから利用動向を深掘りしてみよう。

 図表3は、「まいばすけっと」のレシート全体でのカテゴリー出現率を表したものだ。(19年と20年の比較)。

図表3●購入レシートにおけるカテゴリー出現率
図表3●「まいばすけっと」購入レシートにおけるカテゴリー出現率


 2020年の結果を見ると、購入率が高い順に、野菜などの「農産」が25.8%、「パン・シリアル」が21.2%、「総菜類」が20.2%で、いずれも2割を越えている。

 19年との比較では、「農産」は2.5pt増、「畜産(卵や肉)」が0.6増の10.1%となり、コロナ禍において自宅で料理をする機会が増えたことにより、コロナ前よりも食材を購入する食品スーパーとしての存在感が高まっていると言える。

 また「総菜類」の内訳をみると、弁当やおにぎりではなく、手軽に食卓の1品を増やせるような「5品目ミックスサラダ」や「オニオンとレタスのミックスサラダ」などが多く購入されていた。コンビニとは異なり自宅で料理をする人が利用する傾向にあると考えられるだろう。

 このようにPOBデータでは、各チェーンの利用動向や、他チェーンとの比較による傾向・実態を捉えることができる。コロナ禍で消費動向が激変する今だからこそ、こうしたデータに基づいた戦略の立案・実行を行いたい。

【調査概要】
調査対象:全国のPOB会員アンケートモニター 
調査日時:2021年1月25~26日  
調査方法:インターネットリサーチ
調査機関:ソフトブレーン・フィールド

【データ詳細】
図表①:POBデータより算出。まいばすけっと・イオンの購入レシート会員の年代。
まいばすけっと:20年1月2,735枚、3月3,189枚、9月4,825枚、12月3,664枚
イオン:20年1月9,779枚、3月11,003枚、9月14,515枚、12月11,981枚
図表②POBデータより算出。19年1月~12月、20年1月~12月の各チェーンの購入レシート分析。各チェーンのレシート枚数は以下。
まいばすけっと:19年26,506枚、20年 46,318枚、イオン:19年107,129枚、20年143,480枚
ライフ:19年55,594枚、20年90,330枚、セブンイレブン:19年238,448枚、20年574,586枚

図表③POBデータより算出。19年および20年のまいばすけっとレシート枚数は図表②参照。

【執筆者】

執筆者


山室直経(やまむろ・なおつね)
神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。
現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う

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