「ECは安上がり」の大勘違い 5億円売上げるためのマーケティングコストは1億円を超える事実

河合 拓 (株式会社FRI & Company ltd..代表)
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Amazonと楽天、ZOZOでECは十分

 衣料品に限らず、食品、雑貨、化粧品、なんでもよいが、自分の周りの人間に「必要なECサイト」について、聞いてみて欲しい。きっと、大多数の人は、「Amazon、楽天、(ファッションは)ZOZOも加わるが、その2つ、あるいは3つでECは十分」と答えるはずだ。

 そんな中で、例えば、新しく衣料品のECを立ち上げても「誰も知らない」まま放置されることになる。ググってみればわかるが、最初のページの1枚目から3枚目までは、Amazonか楽天だらけで、その後ろに数千という埋もれた独自サイトが山のようにでてくる。 酷い連中になると、浅はかな知識で「有名人に着させれば良い」とか「SNSで拡散すればよいだろう」などという。今、約6兆円のアパレル市場を形成している女子達には、有名人が着たら服を買うという化石時代のマーケティングなど一切通用しない。インスタで素人も芸能人の分け隔て無く、好きなライフスタイルの人間を追いかけイメージ想起する。そして、休日にお買い物にいって店で商品を見、仕事が終わって夜、自宅でホッとしたところでZOZOや楽天ファッションでお買い物を楽しむわけだ。適当につくったホームページに買い物かごが付いているだけのものなど、出会うことさえしないだろう。

 

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記事執筆者

河合 拓 / 株式会社FRI & Company ltd.. 代表

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

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