「ECは安上がり」の大勘違い 5億円売上げるためのマーケティングコストは1億円を超える事実
5億円の売上を作るためのマーケティングコストは1億5000万円

CPAという言葉がある。これは、Cost per acquisition の略で、顧客一人の情報、そして、できればクレジットカードの情報を登録してもらうのにお金がいくらかかるかという指標である (最近は、EC拡大により後払い決済も増えてきた)。
CPAは、お金をかけたマーケティングコストに対して、お客様を「獲得」する概念だが、低ければ低いほどよい。例えば、シニア市場であれば、やはり雑誌や新聞広告の効率がよい。その場合、掲載ページには、健康食品や化粧品などの販売商品が載っており、お客様はダイレクトに商品を買うことになる。これは、専門用語で「Conversion (お買い上げ)のCPA」ということになる。しかし、もっと若い世代をターゲットにするのであれば、デジタル広告により、例えばインフルエンサーなどを使って自社モールへ誘導し、モールへユーザー登録するがお買い物はしなかった、という場合も顧客情報を登録したことになり、これもCPAである。前者の場合(ダイレクトにConversion <お買い上げ>までもってゆく場合)、CPAは20,000円を超え、後者の場合であれば、モールの魅力にもよるが、500円〜1000円というところとなる。
しかし、前者の場合、お客様は商品を買ってくれるから、販売による売上粗利(正確を記すなら限界利益)をCPAからマイナスしたものが赤字幅となるが、後者の場合(顧客情報を登録しただけ)、同じ計算式をつかって計算し、「黒字になっている」と喜んでいる人もいるが、マーケティング施策はモールに登録しただけで、Conversion(お買い物)まではたどり着いていない。つまり、貯まった顧客に対して、なにかしらの購買誘引施策コストまでセットで考えなければならず、これまた20,000円を超えるケースがほとんどなのだ。腕の立つマーケターであれば、10,000円ぐらいでやる人もいるが希である。
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