コスモス薬品の東京出店戦略で新展開!多店舗化間近!?住宅立地ターゲットにミニコスモスが猛威
コスモス薬品(福岡県/横山英昭社長)は2019年4月、東京都渋谷区に「広尾店」を開業したのを皮切りに、中野区(現在は閉店)、新宿区、千代田区、江戸川区など東京23区内で小型店の出店を進めてきた。いずれも品揃えや店舗レイアウトは若干違い、首都圏における成功モデルづくりに試行錯誤する様子がうかがえた。しかし今年に入ってから相次いで出店した「上野毛店」「祖師谷店」(いずれも東京都世田谷区)、「高津区役所前店」(神奈川県川崎市)は、都市型小型店の新たなモデルとも言える新たなフォーマットでの出店となった。本稿ではこの3店舗にスポットを当て、コスモス薬品の首都圏戦略の最前線を詳らかにしたい。(調査日11月11日・19日) ※文中・図表中の価格はすべて税込価格
コスモス上野毛店 東京都世田谷区
「マツモトキヨシ」「トモズ」の至近に出店
消耗戦必至もコスモスは価格面で優勢か
東急大井町線「上野毛」駅西口を出て、駅前の上野毛通りを東へ5分ほど歩くと「マツモトキヨシ上野毛店」が見え、その斜め向かいに上野毛店がある。マツモトキヨシとは40mほどしか離れていない。
さらに、上野毛店の横を流れる小さな川を挟んで東側、わずか20mの場所には「トモズ上野毛店」がある。駅から少し離れた世田谷の閑静な住宅街で、これほどの至近距離にドラッグストア(DgS)がひしめく様子は異様である。
上野毛店は、食品スーパー( S M )の「パルケNEW上野毛店」(19年4月に閉店)への居抜き出店である。世田谷区内で100坪超の居抜き物件を見出すのは簡単なことではなかっただろう。
売場のレイアウトを見てみると、入口付近にレジ4台、道路側壁面に化粧品(カウンセリング化粧品)など3尺17本で固め、右サイドに牛乳、豆腐、玉子、加工肉の日配品、正面の壁面は冷凍食品、アイスクリームを42尺で展開。左サイドは3尺12本で「湿布」「目薬」など医薬品を配置しレジへとつなげている。平場は3尺15本6列に「サプリメント・健康食品」「オーラルケア」「紙おむつ」「化粧品」「ヘアケア」「洗剤」「酒」「菓子」「飲料」「調味料」「パン」「即席麺」を配置している。
このうち、正面壁面の冷凍食品は8カテゴリー約165品目、アイスクリーム49品目で構成。調査日は味の素冷凍食品の「ギョーザ」(12個)が188円、ニチレイフーズ「本格炒め炒飯」(450g)が248円で販売されていた。周辺の競合店の税抜表示の特売価格より割安価格で、品揃えも充実していた。
一方、酒類は売れ筋商品に絞り、アサヒビール「アサヒスーパードライ」(350㎖・6本パック」が1078円、さらにチラシ商品にもなっていた三和酒類「いいちこ25度1.8ℓ」は1425円と、まさに“コスモス価格”が際立っていた。
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