DCM石黒靖規社長が語る「10年後を見据えた戦略投資」とは
聞き手:
高浦佑介 (ダイヤモンド・ホームセンター編集長)、
阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:
松岡 由希子 (フリーランスライター)
2006年に共同持ち株会社DCM Japanホールディングス(現・DCMホールディングス/東京都)が誕生してから約14年。20年3月には長年社長を務めた久田宗弘氏に代わり、副社長の石黒靖規氏が新社長に就任した。石黒新社長は同社の舵取りをどのように進めるのか、話を聞いた。
コロナ禍で営業続けた理由
──コロナ禍でのホームセンター(HC)の役割をどのように認識していますか。
石黒 HCは、一般消費者が生活必需品を1カ所で買い揃えられ、しかもショートタイムショッピングが可能なフォーマットです。さらにプロ業者の仕事で必要な資材・工具をまとめて調達できる重要な社会的インフラの1つ。これまでも、豪雨や台風、地震といった自然災害では、ライフライン復旧までの生活の維持や住宅の応急補修などに必要な物資を被災地に供給する役割を担ってきました。
新型コロナウイルス感染拡大下においても、お客さまと従業員の安全と健康を守りながら営業を継続し、商品を安定的に供給することで、消費者の生活やプロ業者の日々の仕事を支えています。
──21年2月期第1四半期の好調な業績からも、DCMホールディングス傘下のHC事業会社がコロナ禍における生活インフラとして広く利用されたことがうかがえます。購買行動には何か変化が見られましたか。
石黒 感染拡大当初の20年3~4月には、マスクやアルコール消毒液、ハンドソープなど、衛生用品の売上が増加しました。外出自粛や在宅勤務が広がった4~5月には、消費者の生活スタイルの変化に伴ってDIYや園芸の需要が伸び、DIY商材、園芸用品、掃除用品などが好調でした。
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聞き手
2010年東京大学文学部卒業、12年同大学院修士課程(社会心理学)修了。14年ダイヤモンド・リテイルメディア入社。『ダイヤモンド・チェーンストア』誌の編集・記者を経て、19年4月よりダイヤモンド・ホームセンター誌編集長。ホームセンター業界のトレンドに精通しており、TV・ラジオなど数々のメディアに出演するほか、ダイヤモンド・リテイルメディアYoutubeでも業界解説動画を配信している。
聞き手
阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長
マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ
構成
米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。