減らした商品は9割! ジャパネットがEC戦略で大事にしている「厳選集中」の本質

2020/06/19 05:55
    ジャパネットホールディングス代表取締役社長兼CEO 髙田旭人
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    商品数を絞る前よりも売り上げは伸びた 

     そこでこの部署は解散し、その後半年ほどかけて取扱商品の削減に取り組みました。

     「ここまで商品数を絞るとは大胆ですね」と言われます。いくら売れない商品が多かったとはいえ、店頭から93%の商品を撤去したようなもの。7%の商品しか残さなかったのですから、当然売り上げにも影響すると思うでしょう。

     しかし、実際には売り上げはさほど減りませんでした。しかも、大して減らないことは事前に分かっていました。なぜなら、残した7%の商品で従来の売り上げの93%は確保できる計算だったからです。

     商品数を絞り込めばメリットがあることははっきりしています。

     物流拠点で全商品の在庫を持てるようになり、お客様への配送リードタイムを短縮できました。コールセンターでの対応も600商品に集中できるので効率的になりました。全商品の特徴をより詳細に説明できる紹介動画を用意できたのも、商品数を絞ったからです。

     商品数を減らして失った売り上げは、残した商品の販売を強化すれば、十分にカバーできます。残した商品はいずれも商品力の高い人気アイテムなのですから。実際、一時的に減った売り上げは、商品数を絞る前より増えています。

    ジャパネットの経営の書影
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     放っておくとまた商品は増えていくので、最大777商品までと上限も決めています。そのために、売上が一定の基準に達しないものや、お客様のレビューが低いものを定期的にチェックし、サイトから外すというルールもあります。

     すべての戦略の軸にジャパネットらしさがあります。

     そもそも、厳選した商品をより多くのお客様に届ける「厳選集中」というのが当社のもともとのこだわりです。せっかくサイトに来ていただいても、選りすぐった商品のみを紹介していなければお客様にそっぽを向かれてしまいます。社長になってから強化したのは、この厳選集中でした。

     にもかかわらず、ECサイトの商品数が膨らんでいたのは、いわゆる「ロングテール」の発想で、載せておけば売れるという考えがあったからです。

     でもそれはジャパネットはやらなくてもいい。当社はやるべきは、厳選集中という強みを尖らせること。「らしさ」を貫くことが大事です。

    ※ 髙田旭人氏の著書『ジャパネットの経営』(日経BP6871ページの記載を、髙田氏および日経BPの許諾を得て転載しました。

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