生鮮専門店の出店にM&A…バローHD、スモールビジネス深耕のビッグな戦略とは
バローホールディングス(岐阜県/田代正美会長兼社長:以下、バローHD)は、青果、精肉、鮮魚に特化した生鮮専門店の開発を進め、2025年までに東名阪でそれぞれ約30店舗、合計100店舗規模の出店をめざす。すでにグループ傘下のタチヤ(愛知県/坂本勝社長)が青果専門店を出店したほか、関西エリアの生鮮専門チェーン2社を買収。ここにきてバローHDが「専門店」を重視する理由とは何か。取り組みの最前線を取材した。
名古屋郊外の駅ナカにタチヤの「八百屋」が出現!
「名古屋」駅からJR中央本線に揺られることおよそ30分。愛知県春日井市に位置する「高蔵寺」駅の改札から出てすぐの場所に2021年12月2日、「タチヤアスティ高蔵寺店」(以下、高蔵寺店)がオープンした。

●住所: 愛知県春日井市高蔵寺町3-654-1 JR「高蔵寺」駅構内
●営業時間: 11:00~19:00(水曜定休)
●売場面積: 約34.4坪
●年商目標: 1億5000万円
バローHD傘下で、東海3県において食品スーパー(SM)を展開するタチヤの新店だが、同社の通常の店舗とは店構えも売場の中身も大きく異なる。店舗面積はわずか34.4坪、取り扱うのは野菜と果物のみ。青果小売業を祖業とするタチヤだが、SMをチェーン展開するようになって以降、こうした青果専門業態を出店するのは初めてのことだ。
実際に店を訪れてみると、小さな売場の中で市場直送の青果がボリューム感たっぷりに陳列され、従業員の威勢のよい声が響き渡っていた。まさに昔ながらの八百屋といった風情が感じられる店である。タチヤの屋号を掲げながらも青果のみを販売するという特異な業態ではあるが、昼過ぎという“素材の買物”には中途半端な時間ながら、近隣住民と思しきお客がひっきりなしに訪れていた。
この場所ではもともと別の青果専門店が店を構えていたが、駅ビル「アスティ高蔵寺」のリニューアルに伴い撤退。同所を運営するJR東海系の商業施設企業からバローHDに、青果専門店の出店について相談が寄せられ、グループ内でもとくに青果に強みを持つタチヤに白羽の矢が立ったという経緯だ。

とはいえバローHDにとってもタチヤにとっても、品揃えを青果に絞り込んだ専門店の開発は前例のない取り組み。高蔵寺店の出店に際して陣頭指揮を執った、
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