消費期限とは?賞味期限との違いや注意すべきポイントを紹介

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消費期限は、製造からおおむね5日以内に品質が劣化して安全性を欠く可能性がある食品について、安全に食べられる期限を指す。パッケージが未開封で、指示された方法で保存した場合に、安全性が保たれる期間だ。

購入した肉や惣菜などの期限がすでに過ぎているものの、見た目には異常がなく食べても良いか迷ったことがないだろうか。消費期限の意味や賞味期限との違いを理解していると、期限が切れた食品を正しく扱えるようになり、フードロスが減るだろう。

本記事では消費期限がどのようなものか、賞味期限との違いや注意すべきポイントなどを紹介したい。

消費期限とは?

食品の期限には消費期限と賞味期限の2種類があり、ここでは消費期限とはどのようなものか解説する。

消費期限の定義

消費期限は、製造からおおむね5日以内に品質が劣化して安全性を欠く可能性がある食品について、安全に食べられる期限を指す。パッケージが未開封で、指示された方法で保存した場合に、安全性が保たれる期間だ。

指定された方法以外での保存や、包装を開封した場合は消費期限までの保証はされない。また、開封後は、期限に関わらず早めに食べ切ったほうがより安全だ。

食品以外の消費期限

食品以外でも、期限が表示されている製品がある。例えば、時間の経過によって化学変化が起こり、性能が低下する電池だ。電池の場合は、日本工業規格(以下JIS規格とする)で定められた電池性能を発揮する期間を「使用推奨期限」としている。

また、医薬品も時間経過により化学変化が起きて、効果が減少する。そのため、医薬品でも3年以内に効果が減少する可能性があるものは、「使用期限」が表示されている。

その他、経年劣化により事故が発生する可能性がある電化製品に「標準使用期間」の表示が義務付けられている。

製造年月日の表示が義務付けられていない理由

かつては消費期限ではなく、製造年月日が表示されていた。しかし、1995年(平成7年)から製造年月日から期限の表示に変更された。変更されたおもな理由は下記の3つが挙げられる。

  • 保存技術の進歩によって、製造年月日だけでは期限の判断ができなくなってきたこと
  • 製造年月日表示の場合、1日でも新しいものが求められやすく、返品や廃棄が増加したこと
  • 期限表示を標準としている国際規格に合わせる必要があったこと

現在は製造年月日のみの表示は認められていないが、事業者が期限の表示を適切に行なった場合は、必要に応じて製造年月日も表示できる。

消費期限と賞味期限の違い

スーパーマーケットで商品を選ぶ女性
賞味期限とは、指示された保存方法を守り未開封で保存していた場合に、品質が変わらずおいしく食べられる期限を指す。賞味期限はカップめん・スナック菓子・缶詰・チーズ・ペットボトル飲料など、比較的劣化しにくいものに表示されている。

消費期限と混同しがちなものに賞味期限がある。両者の違いを確認しよう。

賞味期限とは?

賞味期限とは、指示された保存方法を守り未開封で保存していた場合に、品質が変わらずおいしく食べられる期限を指す。賞味期限はカップめん・スナック菓子・缶詰・チーズ・ペットボトル飲料など、比較的劣化しにくいものに表示されている。

賞味期限は消費期限と異なり、「期限を過ぎると食べられない」という意味ではない。しかし、期限後にいつまで消費できるかは、食品の種類や保存状態などにより異なる。いずれにせよ、賞味期限を過ぎたら、なるべく早く食べ切るのがよいだろう。

品質の劣化度合いで区分される

消費期限と賞味期限は、食品の劣化速度で区分されている。品質の劣化しやすくおおむね5日以内に傷む可能性が高いものは「消費期限」、傷みにくく品質の劣化が比較的緩やかなものは「賞味期限」が表示される。

消費期限を用いる食品の場合、期限切れは急速な劣化で衛生上の危険が発生する可能性がある。一方で、賞味期限を用いるものは劣化が比較的遅く、期限切れはおいしさなどの低下を指すことが多い。

期限切れ後の対応の違い

消費期限と賞味期限は劣化速度が異なるため、期限切れ後の対応が異なる。消費期限が切れたものは、劣化により食中毒などを起こす可能性があるため、食べずに処分したほうが良い。

また、消費期限内でも安全が保証されるのは、正しい方法と適した環境で保存された場合に限られる。消費期限は安全性を重視して、実際に食べられる期限よりも短く設定されているが、季節や保管状況によっては、消費期限内でも劣化が進んでいることもある。梅雨時期など食べ物が傷みやすい季節は、特に保管に注意が必要だ。

臭いや色などで主観的に食べられるか判断する際は、保存状態なども考慮したうえで、自己責任で十分に注意を払う必要があるだろう。

一方で、賞味期限の場合は期限が切れても、品質はある程度維持されている場合もある。しかし、風味などが劣化している可能性は高いため、早めに食べたほうがよいだろう。

おもな食品の区分

消費期限を用いている食品と賞味期限を用いている食品の代表例を、いくつか確認しておこう。

消費期限は以下に挙げたように、傷みやすい生鮮食品や要冷蔵食品が多い。

  • 弁当
  • 調理パン
  • 惣菜
  • ケーキなどの生菓子類
  • 豚・牛・鶏などの食肉
  • 生めん類

賞味期限は以下のように傷みにくく、品質が変化しにくいものが多い。

  • スナック菓子
  • 即席めん類
  • ペットボトル
  • 缶詰
  • アイスクリーム類
  • チューインガム
  • 酒類
  • 食塩・砂糖・うまみ調味料など

どちらの場合も基本的には年月日まで表示するが、賞味期限で製造日からの期間が3ヵ月を越えるものは「年月」のみの表示も認められている。

消費期限の食品で注意すべきポイント

消費期限を用いている食品は、期限内であっても保管状態によっては劣化により食中毒などが発生する可能性がある。消費期限は、「正しく適切に保存した状態で安全に食べられる期間」だからだ。保存方法や温度管理などの環境にも気を配り、期限に関係なく早く食べる意識を大切にしたい。

保存のポイントをいくつか紹介しよう。「保存温度○度以下」の記載があれば、指示された温度条件で保存する。保存温度が「10度以下」の場合は冷蔵、「-15度以下」の場合は冷凍での保存を指す。

保存方法の指定がない場合は、常温保存が前提だ。常温とはJIS規格で「5~35度」とされているが、10度以下は冷蔵保存のため、実際は10~35度と考えればよいだろう。

またm温度以外でも、直射日光による紫外線や高湿度による劣化にも注意が必要だ。

消費期限に関するよくある質問

冷蔵庫

消費期限に関して、よくある疑問を解説する。

消費期限の決定方法は?

消費期限の決定方法は、厚生労働省と農林水産省が共同で設置した検討会が定めた「食品期限表示の設定のためのガイドライン」による。

ガイドラインによれば、消費期限はおもに以下の項目により決定される。

  1. 理化学試験、微生物試験、官能検査など客観的な検査
  2. 食品の特性によって設定した1未満の安全係数

出典:厚生労働省、農林水産省「食品期限表示の設定のためのガイドライン」

理化学試験は、製造日からの品質劣化を「粘度」「濁度」「酸度」「pH」などの指標を測定し判断する。製造日の測定値と製造日以後の測定値を比較検討し、劣化を客観的に判断できるのがメリットだ。

微生物試験は「一般生菌数」「大腸菌群数」「低温細菌残存の有無」などの客観的指標を基準としており、食品の種類などで許容可能な数値が異なる。

官能検査は味覚・視覚・嗅覚などを通して、各方法に則った条件下で評価するものだ。理化学試験や微生物試験と比べると客観性には劣るが、理化学試験などが実施できない場合などに用いられる。

検査項目の基準値を満たした日数に1未満の安全係数をかけると、実際の安全期間より短い期間になり、より安全性の高い日数を消費期限に設定できる仕組みだ。

例えば、検査により算出した日付が5日で、安全係数が0.7の場合で計算してみよう。

5×0.7=3.5(日)

小数点以下は切り捨てられるため、上記の場合は製造から3日が期限となる。

使用期限との違いは?

食品では「使用期限」という表現は使われていない。「使用期限」は医薬品・医薬部外品などに用いられており、指定された保存条件下で、未開封状態の薬が品質を維持できる期限を指す。

医薬品は時間経過により有効成分が分解され、化学変化を起こす可能性がある。そのため、3年以内に性能が劣化する可能性がある医薬品は、使用期限を表示するように義務付けられている。

消費期限内に品質が著しく低下するのを防ぐ方法は?

消費期限が設定された商品は劣化が早く傷みやすいため、品質低下を防ぐには温度管理の徹底が重要だ。家へ持ち帰るまでの時間を短くし、特に暑い時期は常温で持ち帰らず、保冷剤や保冷バッグを使用して温度管理に気を付けよう。未開封状態を保ち、決められた保存方法に従うことも大切だ。

また、冷蔵庫の温度設定や衛生・保管状態にも注意したい。冷蔵庫内の設定温度が高い場合や、食材を詰め込み過ぎると冷気が循環せず、きちんと保冷できなくなるためだ。冷蔵庫で保管した場合でも、庫内が不衛生だとカビが発生する可能性もある。冷蔵庫内で微生物が繁殖しないように、定期的な清掃も必要だ。

食材を冷凍保存すると消費期限よりも長く保存できるが、解凍後は短期間しか保存できないため早めに使い切ろう。

まとめ

消費期限は痛みやすい食品に設定された期限で、期限切れのものは食べないほうが良い。一方で、賞味期限は傷みにくいものに設定されており、期限が切れても風味が落ちるものの、ただちに食べられなくなるわけではない。そのため、期限を確認する際は消費期限か賞味期限かをしっかり確認しよう。

ただし、消費期限と賞味期限はいずれも未開封の状態での期限で、開封後は早めに食べ切ろう。また、指示された温度を守るなど、適切な保管を意識することも大切だ。

消費期限と賞味期限を正しく理解すれば食材を無駄にせず、適切な状態で食品を消費することができるだろう。

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