三菱地所とＴ２、物流施設内での自動運転実証＝建物内も省人化実現へ

　三菱地所と、自動運転サービスのＴ２（東京）は２１日、物流施設の建物内での自動運転トラックによる走行の実現を目指し、実証実験を行うと発表した。自動運転トラックが高速道路のインターチェンジ（ＩＣ）に直結した物流施設内への荷物搬送までを一環して担えるようにすることで、人手不足に対応した物流の効率化を進める狙いだ。　

　三菱地所は京都府城陽市、宮城県仙台市、横浜市で新たな基幹物流施設を開発中だ。これらの施設で、将来的に無人運転が可能な「レベル４」のトラック輸送を導入していきたい考え。

　Ｔ２は現在、運転の一部を自動化する「レベル２」の自動運転トラック輸送を手掛けており、２０２７年に「レベル４」の商用運行開始を目指している。自動運転は主に高速道路上で実施しているが、現状では一般道や物流施設へ輸送を行う際、人による運転に切り替える必要がある。

　自動運転システムは、全球測位衛星システム（ＧＮＳＳ）で車両の位置を把握しているが、建物内では受信が困難だ。このため、施設に関する高精度な３次元データと、トラックに搭載したセンサーの情報を照合させるなどして位置の推定が出来るかどうかを検証。複数フロアを移動するための運転技術も開発する。

　三菱地所の桂木悠斗・基幹物流事業推進室長は２１日の説明会で、自動運転トラックの建物内走行を可能にすることで「さらなる効率化・省人化に貢献をしていきたい」と述べた。