小売業IT&DXアンケート結果を発表!「情報セキュリティ強化」と「業務効率化」が加速する
※本記事はダイヤモンド・チェーンストア3月1日号別冊「流通テクノロジー」の一部記事を再編集したものです。文中の所属・肩書等は発行時点のものです。
ダイヤモンド・リテイルメディアでは、小売業の経営・情報システム・デジタルトランスフォーメーション(DX)などの担当者に対し、情報システムおよびIT整備の重点分野、リテールメディアの導入、DXの基本政策と進捗状況、組織構成などに関するアンケート調査を実施し、25社より回答を得た。
アンケート結果からはデジタル戦略の事例やその実態、成果が明らかになっている。
回答企業一覧(25社)万代、pHmedia、ワークマン、神戸物産、アクシアル リテイリング、セブン&アイ・ホールディングス、サンデー、いちやまマート、フレスタホールディングス、生活協同組合コープこうべ、コメリ、エイチ・ツー・オー リテイリング、平和堂、ハローデイ、北雄ラッキー、ミスターマックス・ホールディングス、イオン北海道、ローソン、フジ、東武ストア、近商ストア、フレッセイ、マックスバリュ東海、ジャパンミート、サニーマート(順不同)

I.情報システムの現状とIT導入・活用の課題
セキュリティシステムの強化が課題に
情報システムの現在の課題(図表❶)については、前年3位だった「情報セキュリティ・内部統制への対応」(80%)が1位となった。年々増加するランサムウェアやフィッシング攻撃といった外部からのサイバー攻撃は個人情報の漏洩やサービスの停止などを引き起こすため、企業の信頼性維持にとって大きな脅威となっている。
内部からの情報漏洩や不正アクセスなども同様だ。こうしたリスクに対応するためのセキュリティ強化や社内教育の徹底がさらに重要視されていることがわかる。
続いて「情報システム部門スタッフの育成」(52%)、「老朽化したシステムのリプレース」(52%)が同率2位となった。小売各社では利便性の向上や業務効率化を目的としたリテールメディアやAIによる値引きシステムなど、さまざまなデジタルツールやシステムの導入が進んでいる。
これらを適切に運用し、データの利活用を行える人材を育成することは今後さらに重要視されていくだろう。
情報システム整備によって実現したいこと(図表❷)については前年から引き続き「店舗の業務の省力化・効率化」(96%)が1位となり、前回同率1位であった「本部の業務の省力化・効率化」(92%)が2位となった。次いで、前回4位の「業務プロセス改革」(64%)が3位となった。
人手不足が深刻化するなかで、業務の効率化、省力化の重要性が増していることがわかる。