半導体不足、白物家電にも影響が波及=ワールプール中国現法社長
[上海 29日 ロイター] – 白物家電で世界最大手の一角を占める米ワールプールの中国現地法人社長を務めるジェーソン・アイ氏は、世界的な半導体不足の影響が家電メーカーにも波及してきたとの見方を示した。
半導体不足によって既に自動車生産が止まったり、携帯端末の在庫をそろえるのが難しくなったりしている。
こうした中でアイ氏は、中国最大の家電見本市「アプライアンス・アンド・ワールド・エレクトロニクス・エクスポ」が開催されている上海でロイターの取材に応じ、欧州と米国向けの輸出ペースが時期によっては最大で25%程度遅れが生じていると明かした。
アイ氏は「一方で中国国内の家電需要を満たさなければならず、他方で輸出受注の急増に直面している。中国にいるわれわれにとって半導体に関する限り、不足状態は逃れようがなかった」と語った。
同社が十分な量の確保に苦労しているのは、電子レンジや冷蔵庫、洗濯機などの製品の電力を制御する単純な構造のマイクロコントローラーと呼ばれる半導体だ。こうした半導体は自動車にも使われており、引き続き供給不足が最も深刻な状況にある。
利用する企業が一斉に在庫積み上げに向けて買いに走っているため、ワールプールだけでなく他の家電メーカーも調達が難航している。
杭州老板電器も、十分なマイクロコントローラーを十分に仕入れることができなかったため最新の高価格ストーブベントの発売を4カ月延期せざるを得なくなった。