売れなければ食えない
小売業は、仕入れた製品を商品として売り、差益を稼ぐビジネスだ。
近年は、製造小売業化する小売業も増えているので、この定義からはみ出す企業も散見できるが、売れなければ利益が上がらないという仕組みは同じ。この業界に身を置かなくても理解できる。
「ところが、企業規模が大きくなると、そのことを忘れてしまうのです」と不満顔なのは、セブン&アイ・ホールディングス(東京都/村田紀敏社長)の伊藤雅俊名誉会長だ。
「私たちは、創業頃からずっと、売れて儲からなければ食べられませんでした。ですから、必死になって仕入れて、売ってきたのです」。
しかしながら、企業が大きくなってくると、売れた、売れない、には関係なく、給料日になれば、とりあえず給料が支給されるようになる。
「売れて、利益が出なければ、食べられないというのは商売の世界では常識なのですが、このことを切実に自分のこととして考える人が少なくなっていくのは問題です」。
まさに、その通り。大規模化が進むにしたがい、そんな商売の「いろはのい」を忘れてしまった小売企業が増加しているような気がする。
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