「イオン入社歓迎の集い」こぼれ話

2011/04/14 11:03
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 4月10日(日)に開かれた「イオン入社歓迎の集い」の一幕――。

 イオン(千葉県)の岡田元也社長への質疑応答の時間に新入社員が元気よく立ちあがった。

 

 Q(新入社員):岡田社長が新入社員の時代に日々の生活で考えていたこと意識していたことを教えてほしい。

 

 A(イオン岡田元也社長):私は1979年3月に入社。即座にジャスコ(現:イオン)の多角化戦略の一環として立ち上げられたコンビニエンスストア(CVS)のミニストップ(千葉県/阿部信行社長)事業に配属された。

 

 実験1号店の出店に当たって、「どんな愚鈍な人間でもオペレーションができるように(笑)」と私が店長に選出された。

 店長に就任すると、毎日が失敗の連続だった。いまなら懲戒解雇になりそうなこともずいぶんした。

 たとえば、店内が込み過ぎてレジが回らなくなってしまったので、お客様に「適当にお金を置いていってください」と言ってしまったり…。

 

 ただ、新しいビジネスだったので、その分野のエキスパートがグループ内にいなかったことは、うれしく、非常に良い経験になった。

 

 その後は、スタッフのような業務が多くなった。行く先、行く先で「なぜ?」という疑問が次から次に出てきた。

 

 「もし自分が(ジャスコの)店長であればこうするのに、あるいは、こういうことはしないのに」という項目が次から次にわいてきたのだ。

 そのたびにノートに書きとめた。「店長に就任したら実践しよう」という項目は400枚くらいに及んだ。しばらくすると、辞令が発令され、店長への就任が決まった。

 約400の項目は、玉石混交で使えたもの、使えないもの、それぞれあった。しかし試してみる価値はあったと自負している。

 

 配属先や立場は関係ない。大事なことはずっと思い続け、ずっと考え続けることだ。

 (「いざ、鎌倉!」ではないが、)その時に備えて準備をしておくことが肝要だ(談:文責・千田直哉)。

 

 ふだん、公の場ではほとんど冗談を言わない岡田社長だが社員相手には、ずいぶん違う顔を見せるものだと、新鮮な驚きがあった。

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