食品メーカーの商品開発が加速、ラインアップの多様化が進むプラントベースフード
プラントベースフードといえば「大豆ミート」、そう答える人は少なくない。しかし、今や、「動物由来の原材料を配合せず、植物由来の原材料を使用した、味の評価の高い食品」は大豆ミートだけではない。メーカー各社の開発力により、新しいジャンルの食品として広がりを見せている。
コーナー化の動き広がるプラントベースフード
消費者の健康志向、環境意識が高まりを見せるなか、サステナブルな食生活につながるプラントベースフードの開発が活発化している。プラントベースフードとは、「動物由来の原材料を配合せず、植物由来の原材料を使用した食品全般」のこと。そのなかでも大豆ミートは、日本におけるプラントベースフードの代名詞ともいえる存在だ。
2022年2月、農林水産省は日本農林食品規格(JAS規格)を制定し、大豆由来の植物肉製品の定義を明確化、大豆たんぱく質やアミノ酸の含有率等により、「大豆ミート食品」と「調整大豆ミート食品」の2つに分類。食品スーパー(SM)の店頭には、大豆ミート食品類JASの認証を取得した製品もすでに並んでいる。
今、大豆ミートや大豆ミートを使った加工品は、SMの売場に新たな彩りを加えている。食肉メーカー、食品メーカー、卸に小売、フードテックなどが商品開発に参入。精肉売場から加工肉コーナー、日配品、加工食品、乾物コーナーなどで、大豆ミート(およびその加工品)を見つけることができる。
既存の棚割の中に収まっていることもあれば、コーナーエンドに堂々と「PLANT BASED」のボードが掲げられていたり、棚1本分の独立した売場を展開しているケースもある。
大豆ミート以外の製品が続々登場、多様化が進む
市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングによれば、日本における植物由来の代替肉市場は、30年には20年の2.2倍、780億円規模になると見込まれている。
その一方で、「植物由来の代替肉」とほぼ同義になるプラントベースフードに対する一般消費者の認知度は、実はまだあまり高くはない。メーカーの調査でも、民間のリサーチ会社による調査でも、プラントベースフードの認知度は2割~3割程度にとどまっている。大豆ミートは知っていても、プラントベースフードはよくわからないという人がまだまだ多いということだろう。
そうした状況のなか、大豆ミートとは異なる材料を用いた、さまざまなプラントベースフード商品が市場をにぎわすようになってきている。