まん延防止延長で1─3月マイナス成長も、民間エコノミスト試算

ロイター(ロイター・ジャパン)
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都内の横断歩道を渡る人々
2月9日、 政府は13都県に適用したまん延防止等重点措置の期限を13日から3週間程度延長する方向で、民間のエコノミストからは1─3月期の成長率がマイナスになる可能性も含め、経済損失の拡大を予測する見方が出ている。都内で1月撮影(2022年 ロイター/Issei Kato)

[東京 9日 ロイター] – 政府は13都県に適用したまん延防止等重点措置の期限を13日から3週間程度延長する方向で、民間のエコノミストからは1─3月期の成長率がマイナスになる可能性も含め、経済損失の拡大を予測する見方が出ている。

複数の政府関係者によると、岸田文雄政権は専門家に諮ったうえで10日にも延長を決める。オミクロン変異株による新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないことから、現在適用中の35都道府県のうち、13日に期限を迎える13都県について3週間程度伸ばすとともに、高知県を追加する見通し。

野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、13都県の延長と高知県の追加で経済損失は9410億円発生すると試算。35都道府県への適用時に試算した経済損失1兆7420億円と合算すると、2兆6820億円まで損失が拡大するとみている。

木内氏は1─3月期の国内総生産(GDP)について、「感染収束後の挽回需要を考慮しても年率1%程度、よくて2%の成長」と予測する。

昨年7─9月に発出された緊急事態宣言中の影響を1.8兆円と試算していたみずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは、今回の消費への下押し圧力を「おそらく3000億─5000億円程度」とみている。まん延防止のほうが行動規制が緩いためだが、感染拡大で自宅待機者が増加していることが響くとして、1─3月期のGDPは「前期比プラスマイナスゼロの攻防、マイナスもあり得る」と話す。

第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストも、自宅待機者が多い点に注目。「100─150万人が自宅待機状態で働けなくなっており、経済損失はかなり大きい」と言う。「1─3月期のGDPはゼロかマイナス成長」と試算する。

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