ココカラ×マツキヨ…業界再編渦中のドラッグストア業界 コスモス薬品横山英昭社長の心中は!?
自前では生鮮3品を扱わない
「我々のライバルはドラッグストアだ。生鮮3品を扱わないので、食品スーパー(SM)とは競合しないという考えを持っている。いまのところ、当社が自前で生鮮3品を取り扱うことはない。今後、生鮮3品のニーズが増えてくれば導入や展開を考えるが、その際も自前ではやらず、コンセッショナリー(名前を出さない専門店)の導入などを検討したい。標準店舗面積の拡大については、そのときに考える」
「現在、ドラッグストア業界の再編がかまびすしいが、当社はM&A(合併・買収)には目もくれず、今後も自力出店で成長していきたい。当社は年間1500億円ほどの新店投資を行っている。だから、M&Aをやれないわけではないが、やろうと思わないし興味がない。
当社は店舗年齢が低いこと=競争力という考え方を持っている。新規出店すると3年間は赤字を覚悟する必要があるのだが、先の成長性は明るい。一方、買収した古い店舗の将来性には疑問を持つ。その店舗と当社の大型店舗を競わせたときはどうなのか? 当社には、勝つ自信がある。だからM&Aには食指が動かない。これから業界再編は進んでいくと思うが1社勝ち抜けの体制をつくりたい」
「2019年10月に消費税増税が実施されれば、デフレは加速し脱却がさらに難しくなるとだろう。しかも人件費が高騰しているので、小売業にとっては大変な時代が訪れるはずだ。消費者は、いまよりも価格に敏感になるだろうから、デフレ経済下では安く売れる企業が一番強い。だから安さに一層の磨きをかけなければならない。しかし安く売ったとしても、今後消費は冷え込むだろう。それを見越して、2020年5月期の既存店舗成長率は、前期よりも0.9ポイント減の1%プラスで計画した。なお、当社はすべて税込価格。消費税率が10%になっても変わらない。それでも安いと評価してくれるお客さまは多い」
「キャッシュレス決済は都市型店舗では一部導入しているが郊外型店舗では導入していない。支払い方法の多様性よりも安さをアピールしたほうがお客さま視点になっているという判断からだ。キャッシュレスは手数料が高い。これをお客さまに還元したほうがいいという考えだ。将来的に手数料が下がった段階で、キャッシュレス決済の本格導入を考えていきたい」
2025年に売上高1兆円を達成!
「次年度も積極的な出店と『高品質な商品をより安く』のモットーを堅持する。出店は、関東地区5店舗、関西・中部地区55店舗、九州・中国・四国地区30店舗の合計90店舗を計画、閉鎖は7店舗の予定で、期末店舗数は1076店舗と1000店舗を超える。年間の出店数は本来全店舗数1割増のペースにしたいが、4ケタを超え分母が大きくなってくるとなかなか難しいものがある」
「2020年5月期の業績予想は、売上高6585億円(同7.7%増)、営業利益248億円(同0.1%増)、経常利益273億円(同0.0%増)、当期純利益は191億9000万円(同0.0%増)を計画する。営業利益の伸びが鈍化していることがわかるだろう。それというのも理由がある。当社は予算をどのように作るかといえば、営業利益を対前年横ばいにするところから始めている。2020年5月期の場合は、消費税増税を見込み、安売りで消費者の信任を得たいと考えているから、上期の粗利益率は前期からは下がる、ということで上期は減益。通期ではフラットになるので下期は増益ということになる。そういう予算組みだ」
「現在、売上の14%を占めるPB(プライベートブランド)についてはさらにあげていきたい。利益改善にもつながるだろう」
「中長期の数値計画は2025年に売上高1兆円を目指している。当社は勝つための仕組みづくりが得意な企業だ。勝つための仕組みとはローコストオペレーションの強化に他ならない。この構築こそが当社のやるべきことと意識している。販売管理費は全社一丸となっておさえたい。マニュアルを制作しシステム導入など新しいものをどんどん取り入れて人手のかからないオペレーションを構築したい」
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