ファミリーマートの無人決済店舗 「24年度1000店体制」が現実的なワケ

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売場面積55㎡に700アイテムを揃える

 無人決済1号店の「ファミマ!!サピアタワー/S店」は、東京駅に隣接するサピアタワーの1階で展開している。同タワーの3階には従来型の店舗がある。
「1号店をどこにするのかは『母店とサテライト店を組み合わせて運営できる直営店』という理由でサピアタワーに決めました。交通の要衝である東京駅だからということではありません。3階に母店がありますので、2店を一緒に運営しコスト削減を図りながら、お客さまの動向をうかがうことができます。また、たとえ突発的な事態が起こっても3階からスタッフが即座にヘルプに入ることができます」(狩野氏)。

 無人決済店舗ではあるが、バックヤードにはスタッフ1人が常駐している。酒類やたばこなど年齢確認が必要な商品を扱うには、カメラでお客を確認する必要があるためだ。無人決済が初めてで戸惑っている利用客がいれば、バックルームから出てサポートもする。

 1号店の店舗面積は55㎡で約700アイテムの商品を揃える。通常のファミリーマート店舗は3000アイテム程度を扱っているが、無人決済店舗ではその中からファミリーマートの基準で抽出した約700アイテムに決定した。ただ、いまのところ動作保証上、加温した飲料やフックにかけてある商品、アイスクリームなど冷凍ケースにある商品も扱えないという。

 売れ筋商品は通常のコンビニと同様だ。「無人決済店だからと言って、特別に商品を変えていません。ランチタイムならサンドイッチやおむすび、弁当などが同じように売れています」(狩野氏)。

 この無人決済システムの導入によって、決済のスピードは「確実に速くなっている」(狩野氏)という。

 従来型店舗の場合、レジカウンターに行って、スタッフがスキャンして「何点でいくら」と言われてから現金なりクレジット、電子マネーなどで支払う。セルフレジの場合でも自分でスキャンして支払いをする。カメラとセンサーで商品を判断する無人決済店舗の場合、ひとつひとつスキャンする時間が省かれているからだ。

レジを操作している様子
購入する商品を確認し決済方法を選択するのみで決済スピードが速い

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