ナイキ、アディダス、三越伊勢丹がすでに参入!メタバースは小売業をどう変えるか?
人が集まることで「消費」が生まれる!
では、メタバースは何をする、何ができる空間なのか。
例として取り上げたサービスはいずれもオンラインゲームであり、各ユーザーは当然、ゲームをプレーするためにそれぞれのプラットフォームに集まっている。重要なのは、この「多くの人が集まっている」という点だ。人が集まることでコミュニケーションが生まれ、その次の段階として「消費」が生まれるのである。
「フォートナイト」の例で見てみよう。フォートナイトは1つのステージ(空間)に最大100人が集まり、生き残りをめざして対戦するゲームである。注目すべきは、フォートナイトのユーザーの多くが、ゲーム内で自身を強くするための「武器」ではなく、「スキン(アバターに着せる服やアクセサリーなど、アバター自体の見た目を変更するもの)」を購入しているという点だ。スキンはゲームの“強さ”には関係せず、リアル世界の衣服と同じように「着飾る」ことを楽しむものとなっている。
なぜ、ユーザーはお金を払って「アバターの服」を購入するのか。若者の消費動向に詳しい博報堂若者研究所の瀧﨑絵里香氏は、「仮想空間上でコミュニケーションが発生し、『他者から見られる』という要素が生まれることで消費につながっていく」と指摘する。フォートナイトは“リアルのどこよりも服を売っている場”と一部ではいわれており、マーケットの大きさが窺い知れる。
22年現在、メタバースの主役はオンラインゲームプラットフォームとなっているが、米国では「VRChat」をはじめとした、「仮想空間」と「SNS」が融合したソーシャルVRプラットフォームがすでに一定の基盤を築いている。ガートナーは「26年までに人々の4分の1が、1日1時間以上をメタバースで過ごすようになる」との予測を発表している。これが実現するとなると、消費者の生活は様変わりするはずだ。
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