絶好調の「#ワークマン女子」都内1号店がオープン ヒット商品連発の秘訣はアンバサダーの意見「丸呑み」にあり!?
カギを握る「アンバサダー」の存在
もともとは建築現場などで働く職人向けに作業服などを販売していたワークマンが、一般向けの商品を開発するようになった背景には、SNSの存在がある。作業服として販売していた商品がSNS上で話題になり、キャンプなど別の用途に便利だと人気を集めるようになったのだ。
一般向け商品の開発にあたってワークマンが取ったのは、「アンバサダー」と協力するやり方だ。「アンバサダー」とは、もともとSNS上でワークマンの商品について積極的に発信していたいわばインフルエンサーのうち、商品開発に協力している人々のことだ。アンバサダーはドッグトレーナーや猟師、キャンパーなどさまざまな背景を持っており、「もっとこうだったら便利なのに」という声をワークマン側が吸い上げて商品化する。たとえば、ネット上で話題になったキャンプ用ウェア「コットンキャンパー」(2900円)は、もともと鉄鋼業の職人向けの難燃性の作業服が元になっている。これをアンバサダーの意見を元に、キャンプ向けに改良したことで人気を呼んだ。
ポイントは、企業側に忖度した意見がでることを防ぐために、アンバサダーには無償で協力してもらっている点だ。その代わり、基本的にはアンバサダーの意見をほぼ「丸呑み」した商品開発を行う。ユーザーとして集約された意見を持ち、SNSなどでも発信力の高いアンバサダーと協力することで、今まで共同開発した商品はすベて成功を収めているという。
トータル1500店舗をめざすワークマンの出店戦略は?
21年3月現在、ワークマンは「ワークマン」業態632店舗、「WORKMAN Plus」269店、「#ワークマン女子」2店舗の計903店舗を運営している。今後はそれぞれの立ち位置をより明確にし、業態割合を大きく変化させていくという。
まず、もともとの顧客層である職人をターゲットにした「ワークマン」は200店舗程度まで縮小。その分ファミリー・一般向けの「WORKMAN Plus」と女性向けの「#ワークマン女子」を増やし、トータルでは1500店舗程度まで拡大していく予定だ。6月には#ワークマン女子初の路面店を千葉県・柏市をオープンさせるほか、大都市のターミナル駅付近のショッピングモールに年間6店程度コンスタントに出店を続け、#ワークマン女子は今後10年で400店の新規出店をめざす。