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イオン、ドンキと駅前で激突! 「ロピア半田店」の売場を徹底解説

矢野清嗣
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加工食品はみそやみりんなどを充実

 加工食品・酒・菓子売場のスペース構成比は38%となっており、ロピアとしてはほぼ標準の比率だ。催事場はメイン通路に設け、理想的な配置をしている。

 加工食品の商品構成は既存店の標準モデルに近いが、カテゴリーごとの比率は多少のメリハリを付けている。販促で力を入れている商品は、中京地区の特色である赤みそ、みりんのほか、ロピア独自商品であるふりかけ、焼き肉のたれ、アウトドアスパイス。みりんは36品目を扱い、「角谷文次郎商店・有機三河味醂1800ml」(3199円)や「杉浦味醂・古式三河仕込 愛桜純米本みりん(3年熟成)1800ml」(3999円)など地元ならではの扱いがある。

 ふりかけは15尺。なじみの売れ筋商品である「澤田食品・フワッと国産紅ズワイの香ばし焼がに味ふりかけ」、「トーノー・カリカリ梅しそむすび31g」(359円)などこだわり商品にもラインアップに幅を持たせている。

 酒類は、左端に3レーンを展開。販促の軸はビール系飲料と缶チューハイでケース買いを推奨していた。焼酎と酒はパックと銘酒を扱い、通常のスーパーとほぼ同じだ。

 販促商品としては、スコッチウイスキーをベースとした6つのボックス什器を展開。スコッチウイスキーは39品目、台湾4品目、米国5品目、豪州1品目で構成する。そのほかボックスの1つで「森伊蔵」「魔王」「百年の孤独」などの銘柄焼酎と「余市」「宮城峡」「知多」など人気ウイスキーを陳列する。そのほか、売れ筋の国産ウイスキーと輸入ウイスキーも展開していた。

 菓子は左側に8列を確保し、菓子大袋は前方の30尺で70品目を単品で販売する。ロッテ「チョコパイ9個」(250円)、「不二家・カントリーマアムバニラ&ココア18個」(199円)、「明治・ベストスリー135g」(259円)、「正栄・サク山チョコ次郎96g」(199円)、「ブルボン・アルフォートFS168g」(179円)と価格にばらつきがあるが、売れ筋商品はほぼ網羅している。

 一方で、駄菓子は後方に配置。「やおきん・うまい棒たこ焼味30本」(299円)、「大和製菓・ジャンボ味カレー30袋」(899円)などの大袋を揃えるほか、グミは9尺と控えめな展開で、キャンディーを15尺と大きく展開する。

生鮮売場の混乱は開店時間が影響?

 半田店は日曜日は開店時間から混雑し、駐車場はほぼ満車。店舗周辺は待機のクルマであふれていた。月曜日も開店時からクルマが増え、10時頃はほぼ満車状態であった。駐車していた100台のナンバーを調べると、18台が三河ナンバーで占められ、中には豊田ナンバーもあった。お客に聞くと、高速道路を利用すれば2030分で来店できるという。

 お客の約2割弱が三河地区(碧南市、刈谷市、高浜市など)から来店するという状況は、ロピアも想定外だったかもしれない。改めてロピアの商圏の広さを感じた。

 週末も平日も満車になると周辺の道路は駐車場空き待ちのクルマであふれる。駐車場近くの壁には近隣のDCM半田店に配慮した「DCM駐車場禁止」の張り紙が多く見られた。開店時とはいえ、132台分の駐車スペースでは足りないようだ。

 ただ三河地区の「ロピア岡崎インター店」が726日に開店し、96日にも岡崎市2店目の「ロピア岡崎エルエルタウン店」の開店が予定されていることから、新店の開店が多少は駐車場の緩和につながるだろう。改めてロピアのパワーを感じる。

 半田店は「東成岩」駅前の「ドン・キホーテ半田店」と「イオン半田店」に挟まれた位置にあり、いずれも半田店の店前から看板が見えるほど近接している。とくに、売場面積約700坪(直営部分の歩測)と半田店より大型の「イオン半田店」とは競合が予想される。

 イオン半田店では競合店対策として、野菜は「レタス」(78円)、「キャベツ」(98円)、「スイカ1個」(980円)、「モヤシ200g」(38円)、「キュウリ1本」(38円)、「トマト1個」(78円)、「長ナス1個」(68円)など、単品商品で対応する。日配でも麺、納豆、豆腐、牛乳などで対抗価格を打ち出していた。

 一方、加工食品・アイスクリームはロピアのほうが安く、特別な対応はしていない。ドン・キホーテには生鮮品の扱いはなく、飲料、菓子、酒などを独自のスタイルで対応していた。

 半田店の開店時間は9時だが、これはロピアでは珍しい。競合するイオン半田店が8時(1階)、ドン・キホーテ半田店が9時のため、開店時間を早めたのであろう。ただ、開店時間の9時までに必要作業をこなすことは生鮮ゾーンにとっては厳しい制約となる。そして、そうしたハンディキャップは開店時にあらわれる。

 前編のレポートで述べたような、青果売場や総菜売場などでの品揃え不足は、十分な態勢が整っていなかったのだと思われる。開店直後の売場では、作業に追われている空気を感じた。この状況をどう乗り越えるかが課題でもある。

(店舗概要)
所在地 愛知県半田市旭町4-8
開店日 2024年6月20日
売場面積 約560坪(歩測)
営業時間 9:00~19:00
駐車台数 132台
アクセス JR武豊線東成岩駅徒歩約5
競合店 ドン・キホーテ半田店、イオン半田店

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