速報!セブン-イレブンの「SIPストア」ついに開業 写真で見る新コンセプト店の全貌とは
ロフト、赤ちゃん本舗の商品も導入 女性・子育て世帯のニーズ取り込む
加えて注目したいのが非食品のMDで、やはりセブン&アイグループに属するロフト(東京都/安藤公基社長)と赤ちゃん本舗(大阪府/味志謙司社長)の商品を取り入れた。
まずロフトについては常盤平駅前店周辺にバラエティ雑貨やコスメ用品の買い場が少なかったことから同社との連携を決定。品揃えだけでなくコーナーのデザインまで同社が監修した。取材時は女性向けアイテムが中心となっており、フェイスマスクや化粧水、アイライナーやネイルシールなどを販売していた。
一方の赤ちゃん本舗の商品についてはレジ前付近にゴンドラ4台分のスペースを割いて展開。ベビーミルクや離乳食、おむつ類や乳児用歯ブラシなど購入頻度の高いアイテムをメーンに揃えている。
赤ちゃん本舗のコーナーも導入し、子育て世帯のニーズ獲得を図る
すべての人が「近くて便利」を享受する店づくりを志向
ここまで常盤平駅前店の売場を駆け足で見てきたが、「SIPストア」はセブン-イレブン(S)とイトーヨーカ堂(I)という2社のパートナーシップにとどまらず、ロフトや赤ちゃん本舗の商品を導入しているように、セブン&アイグループ各社の知見やノウハウ、MDといった”資産”を結集させた店舗と言える。
その先に見据えるのは、あらゆる顧客層をカバーできるフォーマットの確立だ。セブン-イレブン・ジャパンの執行役員企画本部ラボストア企画部長の山口圭介氏は、「われわれはここ十数年『近くて便利』をコンセプトに掲げてきたが、それに主語がなかった。高齢化が進むなかで若年層の支持を集めきれていないし、男女比率を見てもほとんどの店で女性が男性を超えることはない」と指摘する。
グループの資産を結集しワンストップ性をより追求することで、若年層、女性、ファミリー層といった取り込めきれていない層を含め、顧客層の拡大とロイヤルティ向上を図るというのがSIPストアのめざす方向性といえそうだ。
ただし、山口氏は「SIPストアをフォーマット化することは目的ではない。新業態開発でもない」とも強調する。まずは常盤平駅前店を拠点に仮説とのずれを検証・修正しながら部分最適(既存店に水平展開できる新たな商品や販売手法)につながる情報の獲得をめざしたうえで、全体最適(あるべきフォーマットの研究開発)につながる検証を進めていくという。
今後については、24年度中にはSIPストアの2号店の開業をめざす考え。常盤平駅前店のような既存店の改装のほか、より広大な売場スペース確保をめざした新規開発なども視野に入れるという。
店頭で取材に応じたセブン-イレブン・ジャパンの永松文彦社長は、「時代が大きく変化する中で商圏ニーズも大きく変化している。将来的にさらに高齢化が進むことは明らかで、人々が動ける範囲はより狭くなっていく。そうしたなかで、近くであらゆる消費財の購入ができるような店を構築していきたい」と話した。