シリアル市場、健康志向を背景に需要拡大 グラノーラ・コーンフレークが好調に推移

文:石山 真紀
Pocket

シリアルの金額PIおよび金額PI対前年推移

洋日配売場など、多箇所展開でトライアルを促進

 食物繊維や鉄分、たんぱく質などの栄養素が豊富で白米と比較しカロリーや糖質が低いことから、美容や健康に関心の高い女性から人気を集めた「オートミール」だが、期間通算の金額PIは対前年同期比25.4%減の274円、数量PIは同27.1%減の0.74と、金額・数量ともに大幅減となった。

 コロナ禍に一気に広まったオートミールだが、味や香り、食感が苦手という人も多く、さらに調理の手間もあることから離脱する人が目立っている。こうしたネガティブなイメージを払拭する商品として登場したのが日清シスコの「おいしいオートミール じっくりロースト」だ。同品はロールドオーツを長時間焼き上げることで、香ばしさやしっかりとした食感を実現。そのまま食べるだけでなく、電子レンジや鍋で調理してさまざまなメニューにアレンジしたり、白米と一緒に炊くことも可能だ。オートミールはシリアル同様、朝食利用がメーンとなっているが、メニュー提案により使用頻度の向上が期待される。

 シリアルは菓子売場の近辺、またはコーヒーや紅茶とともに朝食関連の定番棚で展開されることが多いが、今後市場を拡大するにはパンをはじめとした他カテゴリーの売場でもユーザーを取り込む必要がある。ヨーグルトや牛乳など関連性の高い洋日配売場でのアウト展開も積極的に仕掛け、トライアルに結び付けていきたい。

1 2

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態