衣料用洗剤市場、除菌・消臭や部屋干し用など、高付加価値品にチャンス

文:石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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衣料用洗剤(衣料用合成洗剤)の金額PIおよび金額PI対前年推移

少量でもにおいや汚れが落ちる、液体濃縮タイプが伸長

 衣料用洗剤は技術革新によりさまざまなタイプの商品が開発されているが、近年特に好調なのが高機能の液体洗剤だ。

 花王「アタックZERO」は4月に改良新発売。新規開発成分がバイオフィルムの主成分となるEPS(細胞外多糖)の結晶構造を緩めることで、洗浄成分のバイオIOSがバイオフィルム内部に浸透し分散除去。この働きによりニオイ戻りの原因のひとつであるバイオフィルムを根本洗浄し、除菌・抗菌洗剤を超えた無菌レベルの消臭力を実現している。

 また「アタックZERO」は片手に持ちプッシュするだけで簡単に計量ができる「ワンハンドプッシュ」ボトルの採用やドラム式洗濯機専用品、次世代型発泡パウダーを搭載したスティック形状の衣料用洗剤「アタックZERO パーフェクトスティック」の展開など、これまでの衣料用洗剤にはない価値を提供し、好調に推移している。

 衣料用洗剤は高い汚れ落ちや消臭効果に加え、部屋干し用、ドラム式洗濯機向け、計量不要のポーションタイプと、時代の変化に合わせて細分化されてきたカテゴリーだ。

 また洗剤本体のほかにも漂白剤や柔軟剤、香り付けの仕上げ剤など関連する商材も多いことから、売場の工夫次第で売上の拡大が見込めるだろう。

 エンドやプロモーション棚では洗剤本体とともに関連商材を組み合わせて提案することで消費者に気づきを与え、ユーザー数の拡大とバスケット単価の向上につなげたいところだ。

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