食品スーパーも学ぶべき!杏林堂最新店の地産地消食MDとは
食品強化型のフード&ドラッグ業態をメーンに、静岡県内でドラッグストア(DgS)約100店舗を展開する杏林堂薬局(小河路直孝社長)。最近では生鮮・総菜の品揃えを強化しつつ、食品全体で「地産地消」を打ち出すことで、ほかのDgSとの差別化を図ろうとしている。最新店の1つである「高町店」(静岡県浜松市)で、同社の最新の食品販売戦略を考察した。
(調査日:2024年5月12~13・18日)※文中の価格はすべて本体価格
「総合生活者ストア」を体現する品揃え
今回調査した高町店は、JR線「浜松」駅から徒歩20分ほど離れた住宅街の一角に位置する。1階部分を駐車場とするピロティタイプのつくりで、売場面積は約360坪(歩測)。このうち約180坪を生鮮を含む食品売場が占めている。
このうち食品売場の部門別スペース構成比は、生鮮3品と総菜で15%、日配26%で計41%、加工食品、菓子、酒類は合わせて59%を占める。近年の杏林堂の標準的な売場構成である。
入口から主通路沿いに進むと、DgSゾーンから始まり、売場奥で飲料・酒類から食品ゾーンに入って青果→鮮魚(塩干)→精肉→日配の順に配置。日配の対向部に平台の冷凍食品売場、それを挟んで総菜売場が展開されている。
杏林堂は食品強化型DgSのパイオニア的存在の1つであるが、商圏や顧客ニーズの変化に柔軟に対応しながら、売場づくりと商品政策(MD)を磨き続けてきた。最近ではとくに生鮮部門の強化を図っており、青果、精肉、総菜をほぼフルラインで扱う店舗も増えている。
このうち精肉と総菜については店舗によって販売手法が異なり、コンセッショナリー(コンセ)を入れて店内加工・製造を行う店もあれば、ほぼ外注品で賄う店もある。店舗サイズや物流などの与件によるのだろうが、いずれにしても生鮮と総菜の展開は前提として店づくりがなされている。
高町店は青果は直営で、精肉・鮮魚(塩干中心)・総菜は外注品で対応している。いずれの部門も売れ筋・頻度品を中心とした不足ない品揃えで、杏林堂が基本理念に掲げる「総合生活者ストア」を体現。詳しくは後述するが、なかでも総菜は地場の複数の専門店から商品を仕入れるなど、特徴的な取り組みが見られる。
生鮮は売れ筋中心に値ごろ感を訴求
食品売場を詳しく見ていこう。
まず
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