売場・商品のプロが解説する、トライアル、MDの進化ポイントと今後の課題

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
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ここ数年の生鮮強化の取り組みでさらに高い競争力を手にしたトライアル。売場づくりや商品政策(MD)は足元でどう進化を続けているのか。そして今後さらなる成長を続けるうえで注力すべきポイントは何か。本誌でおなじみの売場・商品の専門家、KTMプラニングR代表取締役の海蔵寺りかこ氏に解説してもらった。

ドミナント深耕にとどまらない「TRIAL GO」の価値

 今回、明治屋の大塚長務社長のインタビューと合わせて、福岡県内のトライアルの店舗を複数視察することができた。筆者は以前、ダイヤモンド・チェーンストア誌でトライアルを特集した際(2022年8月1・15日合併号)にも同様に店舗を見て回ったが、その時よりも店・売場・商品づくりの取り組みは格段に進化していると感じた。

 まず特筆すべきは、小型店の「TRIAL GO」の存在だ。主力のスーパーセンター(SuC)と合わせて出店することはドミナント戦略上意味があるのはもちろんだが、顧客への提供価値を最大化すべく、「TRIAL GOとしてのMD」もしっかりとつくり込もうとする姿勢を感じた。

TRIAL GO外観
TRIAL GOはトライアルにとってもお客にとっても大きな意義のあるフォーマットだ

 店内調理の機能を持たないコンビニエンスストア(CVS)サイズの売場でありながら、プロセスセンターや、近隣店舗のセントラルキッチンといったインフラをフル活用して生鮮・総菜を展開。とくに総菜では鮮度の高い寿司やベーカリー商品などが、既存のCVSに対して強い差別化ツールとして機能している。

 また、全台フルセルフレジとすることで店舗オペレーションを

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記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

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