2023年春夏の総菜部門 消費の2極化進む中での戦い方とは!

解説・文:海蔵寺りかこ (KTMプラニングR代表)
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2022年春の食品スーパー(SM)総菜部門の売上は、対前年比を超えるなど、好調だったが、23年春~夏に同部門はどのような施策を打っていくべきなのか。今春~夏は、未曽有のインフレの進行という不安要素が大きい期間だが、それだけにお客のニーズを把握できれば、他社との競争に勝ち、さらに売上を伸ばすことができるチャンスだともいえる。本稿ではそのためのヒントを分析していく。

22年は総菜の「一人勝ち」

 23年上半期の総菜部門について述べる前に、22年上半期の動向を振り返っていこう。SM統計調査(月次)によると(図表)、SMにおける22年3~7月の既存店総売上高前年比は前年割れが目立つのに対し、総菜部門は常に前年超えと好調だった。総菜の売上構成比も10%台後半が定着しつつあり、今や畜産の売上構成比に迫る勢いだ。

図表●SM統計調査(月次)

 総菜部門好調の理由は、コロナ禍で高まった時短・簡便ニーズに加え、各社の総菜商品のクオリティが向上している事実がお客に認知されつつあるのも一因ではないか。また、上半期の話ではないが、昨今メディアを賑わせている、外食チェーンにおける相次ぐ迷惑行為の露呈も、SMの総菜にとってはある程度の追い風材料になっているといえる。こうしたこともあり、総菜の好調はしばらく続きそうだ。

 22年上半期の天候面では、3月から暑さに見舞われ、4月にすでに各地で真夏日が発生した。定期的にまとまった雨が降ったものの、梅雨に関しては、速報ベースで6月末に各地で梅雨明けが発表され、異例の短さであった。社会面では、4月から対ロシアの禁輸が拡大し始め、さらに6月下旬に円が1ドル135円台に急落したことが、原価高騰に拍車をかけた。

23年は消費の二極化が進む

 続いて、23年春のトレンドを分析していく。まずはお客の値上げに対する反応についてだ。22年秋、値上げラッシュがピークを迎え、お客は一時的に自身の経験則に基づく商品の「値ごろ感」を見失った。そのまま3年ぶりに自粛要請がない年末年始に突入したため、SMにとってはハレ消費の勢いで当初の予測より売上が上振れした感があった。だが、お客の購買心理の変化を見逃してはいけない。23年1月中旬以降は、

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解説・文

海蔵寺りかこ / KTMプラニングR 代表

食品コンサルタント
1級色彩コーディネーター、カラーデザイナー、UCアドバイザー

株式会社KTMプラニングR代表。大阪府吹田市出身、太陽の塔を眺めながらバレーボールに明け暮れる少女時代を過ごす。ダイヤモンド・チェーンストア誌連載「販促の強化書」、店舗調査解説などを執筆。JA全農にてさまざまな国産農畜産物のSPA化と向き合う。惣菜メーカー、食品スーパー、データ分析等の各企業のサポートや各種セミナーも開催している。

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