商機はワインの選び方提案にあり!明治屋、マルエツが進めるデジタル活用
スマホなら全商品の情報チェックも可能?
顧客が手にするスマホを活用すれば、ディスプレーを置くスペースの問題は解消されます。マルエツは3月に、スマホのカメラで商品バーコードをスキャンすると、詳細情報が表示されるアプリ「SAKELAVO Camera」をほぼ全店で利用可能にしました。
アプリはベンチャー企業のSAKELAVOが開発したもので、ワイン約6000種類の分析データに基づき、その商品の味わいを2次元マップとレーダーチャートで表現します。主観ではなく科学的に「味わいの見える化」に取り組むという斬新なアプローチです。
買物時にこのアプリを使用してみたところ、産地や商品紹介と共に表示されるデータは興味深いのですが、売場にある多くのワインを気の済むまでチェックするのは無理、とも感じました。家でゆっくり考えたい・・・。そのためにはスキャンしたワインのデータを履歴として残して欲しい・・・。アプリの今後に期待です。
そこに現物がある店舗の訴求力はあなどれない
商品のことをより深く知るには、やはりネットが優れているようです。メーカーは当然、自社商品についてHPで情報発信しています。SNSの有名どころをカバーするだけでなく、キリングループのように、オンラインのメディアプラットフォーム「note」を使う企業も出てきました。noteは広く読み物を集めるサイトで、これを利用するメーカーは、商品に関するストーリーをじっくり説明するといった使い方をしています。
スペースに制約されないネットは、情報提供の量では有利ですが、実際に購入するかしないかの判断となると、リアル店舗の訴求力は決してあなどれません。
個人的には、ネットだと「お気に入り」に登録していつまでもそのままということもありますが、店舗では即決で購入することの方が多いように思います。大量陳列されていれば目につきますし、やはり現物がそこにあると違います。
要するにネットとリアルのいいところを融合すべきということなのですが、試行錯誤が続きそうです。ワインのようにバラエティ豊富なカテゴリーだと、選ぶ楽しさをいかに提供するかも奥が深いと感じます。