第10回 競争激化中の「サンドイッチ」 圧倒的な存在感を放つ専門店3選

有木 真理 (ホットペッパーグルメ外食総研所長)
Pocket

②食事系アレンジのヒント満載
「Coffee&toast Tokyo」

「Coffee&toast Tokyo」の外観。訪れたのは平日にもかかわらず、店内は若い世代の来店客で満席状態であり、店の外で待つ人もいる人気ぶりだ
「Coffee&toast Tokyo」の外観。訪れたのは平日にもかかわらず、店内は若い世代の来店客で満席状態であり、店の外で待つ人もいる人気ぶりだ

 こちらは、正確にはサンドイッチ店ではないのですが是非紹介したいお店で、食パンを中心にさまざまなパンをアレンジし提供しているカフェです。

 同店では、固定のイートイン・テイクアウトメニューのほかに、日々ユニークな商品を開発し期間・数量限定で販売しています。その内容は、レンコンのはさみ揚げを挟んだ商品や、パンをご飯に見立てた親子丼風食パン、1 斤の食パンの中にぎっしりとソーセージやハンバーグを入れたパンなど、どれも圧巻の見た目でインパクトのあるものばかりです。

 アレンジの種類の幅や、創作内容も魅力的で「あれも、これも、試してみたい!」と思わせてくれます。パンといえば洋風や甘いスイーツ系が主ですが、その常識を覆すこのラインアップは、きっとスーパーのバイヤーにとっても商品開発のヒントになるはずです。同店ではSNS「Instagram」で新作メニューを配信しているのでそちらも是非チェックしてみてください。

 2020年末に期間限定で販売した「かつ丼パン」。パンをご飯に見立てて丼風に仕上げた、見た目のインパクトが大きい商品だ
2020年末に期間限定で販売した「かつ丼パン」。パンをご飯に見立てて丼風に仕上げた、見た目のインパクトが大きい商品だ

「Coffee&toast Tokyo」
所在地   東京都世田谷区三軒茶屋 1-5-16
営業時間   9 :00〜14:00
定休日    不定休

③究極のサンドを体験する
「ワギュウマフィア・ザ・
カツレツ・サンドイッチ」

「ワギュウマフィア・ザ・カツレツ・サンドイッチ」は、「WAGYUMAFIA」の系列店のなかで、会員でなくても訪れることができるお店だ
「ワギュウマフィア・ザ・カツレツ・サンドイッチ」は、「WAGYUMAFIA」の系列店のなかで、会員でなくても訪れることができるお店だ

 こちらは国内外で店舗を展開し、各国のトップシェフとイベントを開催して世界中の SNS で話題となっている「WAGYUMAFIA」の和牛カツサンド専門店です。会員制の和牛専門店である「WAGYUMAFIA」の系列店のなかで、会員でなくても訪れることができるお店です。

 上質な和牛にこだわる「WAGYUMAFIA」の店だけあって、計7種類あるメニューの価格は2500円から高いもので5万円。より質の高い和牛を使ったメニューもあり、エイジングビーフでは 3 万円、チャンピオン牛では価格は5万円を超します。飲食ビジネスでは安価なものの代名詞のように「コスパ」という言葉を用いますが、その真逆をいく店舗と言えるでしょう。

 サンドイッチとは思えない価格に驚く人もいるかもしれませんが、多くの来店客は5000円以上のカツサンドを注文するそうです。その理由は、「本当にいいものを決して安売りしない。生産者に敬意を払うことで、事業にかかわるすべての人が幸せになり、その結果、文化、価値が伝承される」という同店のフィロソフィに、世界中の食通たちが賛同しているからでしょう。是非一度足を運び、究極の食の在り方を感じてみてはいかがでしょうか。

神戸牛のドライエイジングビーフに金箔を振りかけたサンドイッチ。価格は3万円超
神戸牛のドライエイジングビーフに金箔を振りかけたサンドイッチ。価格は3万円超

「ワギュウマフィア・ザ・カツレツ・サンドイッチ」
所在地   東京都目黒区上目黒 1-26-1 中目黒アトラスタワー 1F
営業時間  12:00~20:00
定休日   火・水曜

ロゴ

「ホットペッパーグルメ外食総研」上席研究員
有木 真理(ありき・まり)

著者写真

リクルートライフスタイル沖縄の代表を務めると共に、ホットペッパーグルメ外食総研の上席研究員として、食のトレンドや食文化の発信により、外食文化の醸成や更なる外食機会の創出を目指す。自身の年間外食回数300日以上。ジャンルは立ち飲み~高級店まで多岐にわたる。趣味はトライアスロン。胃腸の強さがうりで1日5食くらいは平気で食べることができる。「ホットペッパーグルメ外 食総研」https://www.hotpepper.jp/ggs/

1 2

記事執筆者

有木 真理 / ホットペッパーグルメ外食総研 所長

飲食チェーン店での勤務やフードコーディネータ、リクルートライフスタイル沖縄の代表取締役社長を経て、現職。東京と沖縄の2拠点生活を送りながら、現在は販促渉外部長も兼任。外食回数年間300回と、大の外食好きで、日本各地の外食事情に詳しく、立ち飲みから超高級店まで幅広いジャンルに精通。食を通じて「人」と「事」をつなぐ活動のオーガナイザーとしても活躍。沖縄スポーツ関連産業協会の理事も務めているため、食以外にも観光、スポーツにも関わっていることから外食だけでない視点での食トレンドを語ることができる。

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態