黒字化のフーマ フレッシュ、第2の成長フェーズへ!アウトレット業態が起爆剤?

牧野 武文(ライター)
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 2016 年から展開が始まったアリババ(Alibaba)の生鮮スーパー(SM)「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ:以下、フーマー)が第2の成長フェーズに入ろうとしている。その決め手になっているのが、食品アウトレットだ。

 フーマーは、アリババの創業者ジャック・マーが提唱した「新小売戦略」に基づき消費体験の革新をめざしたSMだ。リアル店舗とそれに紐づいたオンラインで買物でき、30分以内での無料配送と店頭での受け取り(持ち帰り)という2つの買物方法・受け取り方法を自由に組み合わせることができる。こうした新しい消費体験を提供することにより、今までになかった小売ビジネスを実現するというのがフーマーのめざすところだ。22年頭には、同社の侯毅CEOが創業6年で「フーマーフレッシュ」事業が黒字化したことを社内メールで報告している。

長年の課題になっていた郊外部への出店戦略

 しかし、店舗事業が黒字になるのは想定内。なぜなら、アリババのスマホ決済「アリペイ」の決済ビッグデータの解析から、購買力の高い地域を選んで出店してきたからだ。フーマーは中国の大都市の住宅地を中心にこれまで約300店舗を展開している。

 逆に言えば、フーマーにとっての大きな課題は、購買力のあまり高くない郊外部だった。都市部の消費者は買物利便性や品質が高ければ、価格にはある程度目をつぶってくれる。しかし、郊外部の消費者は品質と価格のバランスを重視し、とくに「割安」であることに惹かれる傾向がある。

フーマーのアプリで見た北京市のフーマーフレッシュ出店状況
フーマーのアプリで見た北京市のフーマーフレッシュ出店状況(青の部分が配送可能エリア)。購買力の高い都市部への出店が集中しており、その周辺の郊外部にどう店舗網を展開するかが課題になっていた

 これに対応することは、

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