ウォルマートも推進!小売業を変える、 広義の自動化とは何か?

文:鈴木 敏仁 (R2Link代表)
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 サステナブルな社会とするために、社会にマイナスな企業活動は可能な限り減らす、改善する、効率化する、といった努力は不可欠だろう。ただ小売企業として何をやるべきなのかは、よく考えてプライオリティをつけて、必要なことに集中すべきだと考えている。

 では食品小売業にとって最重要課題は何だろうか。1つめは食品廃棄の削減、2つめは店舗ゴミの削減、そして3つめは消費エネルギーの削減だと考えている。

 店舗ゴミとはたとえばPOPだ。効果の薄いPOPを惰性でつけて大量廃棄していないだろうか。

 私は今まで店舗ゴミの実情を調査した報告を見たことがないのだが、相当な環境負荷をかけているはずだ。日本のメーカーに減らしたほうがよいと忠告したこともあるが、競合がやっているからという理由でやめられない。「エコに取り組んでいます」と表向きはクリーンなのだが、実情はそんなものだ。

 消費エネルギーとはたとえばオープン冷ケースである。アメリカではリーチインに切り替える企業が増えてきているが、売上減につながりかねないとしてオープンのままにしている企業が日本には少なくない。

ウォルマートの青果売場
AIによる廃棄ロス削減機能を導入したウォルマートの青果売場

属人的ノウハウのAIへの置換が進む

 廃棄ゴミの総量に占める割合は

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鈴木 敏仁 / R2Link 代表

在米30年以上、現在はロサンゼルス在住。1997年にアメリカでS.M.R., Inc設立、米国流通業界を軸としたコンテンツ作成ビジネスを開始。また企業が実施する米国流通研修の企画およびコーディネートも合わせてスタート。1998年にリテールウェブを開設。年間訪問店数はのべ600店舗超、現場検証に基づいた分析をモットーとする。

著書

『ソリューションを売れ!』(ニューフォーマット研究所)
『誰も書かなかったウォルマートの流通革命』(商業界)

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