クローガーによる、アルバートソンズ買収のねらいと行方とは
クローガー(Kroger)によるアルバートソンズ(Albertsons)買収計画のニュースは読者も驚いたことだろう。
アメリカのスーパーマーケット業界は寡占状態とはいえずいまだ統合の余地は残っている。ただ大手企業同士の統合はほぼ終わっており、残るは中堅企業の合従連衡だろうと考えていたので、こういう統合もあるのかと私も目を開かされた。パンデミックによる社会混乱と金利上昇による資金調達市場のトーンダウンもあるのでなおさらだ。
アルバートソンズは2006年に食品卸のスーパーバリュ(SuperValu)が買収したときに組織が解体され、その後は資本が変遷しながら投資企業の手の上で転がされてきた企業である。この統合を“出口”とする投資企業の名前がすでにニュースにもなっており、本質的には資本の売り買いがいつでも俎上に載る企業なので、そう考えるとあり得る話ではある。
経営陣も投資企業の肝いりで選抜された人たちなので異論を唱えることはないだろう。ちなみに取締役会のメンバー11人中の5人が投資業界の人間なので、ガバナンス陣からしてそもそも投資カラーが色濃いのである。
買収後に得られる果実
買収総額は246億ドルで、1ドル145円で換算すると3兆6000億円弱と巨額である。
クローガーは
鈴木敏仁のアメリカントレンド の新着記事
-
2024/10/17
置き配、ロッカーを超える利便性?ライブトラッキングが促す物流改革とは -
2024/09/21
ウォルマートも推進!小売業を変える、 広義の自動化とは何か? -
2024/08/14
「AIがサステナビリティを実現する」その最新事例とは -
2024/07/04
ターゲットにチポトレ、ウォルマートも RFID 本格拡大の背景 -
2024/06/06
アメリカで相次ぐ、セルフレジの”戦略修正” -
2024/04/18
ウェンディーズも大胆な実験!米国で進む店頭販促とダイナミックプライシングの融合
この連載の一覧はこちら [45記事]
クローガーの記事ランキング
- 2024-10-17小売店舗がこれから「健康ハブステーション化」すると言える理由
- 2021-03-22SDGsで先行する欧米食品スーパーの現状は?ウォルマート、クローガー、テスコの事例を紹介
- 2023-04-19アマゾンゴー米国8店舗閉鎖の理由と、クローガーの年10億 ドルリストラ策
- 2019-09-20ジュンク堂書店、米クローガーが開発した電子書棚導入、大日本印刷と実証実験
- 2020-01-24米クローガー、英オカドと提携の自動配送センターをメリーランド州に建設、4ヵ所目
- 2020-09-29米国で急拡大する食のEC市場 業績の明暗分ける2つの存在
- 2020-11-02クローガー、“最小”のオカドCFC建設を発表、ライドエイドがシアトルエリアのDgSを買収
- 2021-05-06クローガー3カ年新戦略を発表、ウォルグリーンロイヤルティ・プログラムに寄付機能を追加
- 2021-05-13AI、新テクノロジーの活用で進むアメリカのフードロス削減の最前線
- 2021-09-21米クローガー、インスタカートと組んで最短30分の配達サービス
関連記事ランキング
- 2024-10-17小売店舗がこれから「健康ハブステーション化」すると言える理由
- 2022-11-25‟超”拡大する冷凍食品市場 食卓の異変と冷食の進化、小売業の新しい売場づくりとは
- 2021-03-22SDGsで先行する欧米食品スーパーの現状は?ウォルマート、クローガー、テスコの事例を紹介
- 2023-04-19アマゾンゴー米国8店舗閉鎖の理由と、クローガーの年10億 ドルリストラ策
- 2022-12-05DS多い激戦区に高質SM メッサオークワ岩出店の売場づくりを徹底解説!
- 2019-09-20ジュンク堂書店、米クローガーが開発した電子書棚導入、大日本印刷と実証実験
- 2020-01-24米クローガー、英オカドと提携の自動配送センターをメリーランド州に建設、4ヵ所目
- 2020-09-29米国で急拡大する食のEC市場 業績の明暗分ける2つの存在
- 2020-11-02クローガー、“最小”のオカドCFC建設を発表、ライドエイドがシアトルエリアのDgSを買収
- 2021-05-06クローガー3カ年新戦略を発表、ウォルグリーンロイヤルティ・プログラムに寄付機能を追加