最新!アメリカ小売業トップ10社ランキング2021!10社すべて増収の衝撃!

松岡 由希子 (フリーランスライター)
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ECとPB強化が奏功したクローガーとターゲット コストコも堅調

クローガー
クローガーは食品ECとPB開発の強化が奏功している

 クローガーはウォルマートと同様に、20年度のEC売上高が対前年度比116%増と大幅に伸びた。ネットスーパーの宅配サービス「デリバリー」を2472店舗で展開し、店舗受取サービス「ピックアップ」を2223店舗にまで拡大させている。英ネットスーパー専業のオカド(Ocado)の技術を取り入れた大型のフルフィルメントセンターも今春から稼働し始めており、インフラの整備が急ピッチで進んでいる。

 また、内食需要の高まりにより、生鮮食品、簡便・即食商材を中心に売上が伸長。プライベートブランド(PB)「アワ・ブランズ(Our Brands)」の20年度の売上高は過去最高の262億ドル(2兆8820億円)超に達した。

 6位の会員制ホールセールクラブ大手のコストコ(Costco)は、21年3月に発表された米国顧客満足度指数(ACSI)の「百貨店およびディスカウントストア部門」で最も高い顧客満足度を獲得するなど、コロナ禍でも米国の消費者から高い支持を得ている。有料会員の更新率が91%と高いことからも、既存顧客に根強く支持されていることがうかがえる。

 7位のターゲットは近年、ECとPB開発を積極的に強化してきたことが奏功し好調に推移している。20年度のEC売上高は対前期比145%増の約100億ドル(1兆1000億円)に拡大した。また、食品、日用品、衣料品、家具などの幅広いカテゴリーで48のPBを展開。そのうち10ブランドで年間売上高が10億ドル(1100億円)を超えている。

 アルバートソンズも、オーガニック専門PB「オー・オーガニック(O Organic)」、簡便商材を展開する「オープン・ネイチャー(Open Nature)」など、食品を中心にPBを強化している。取扱品目数は1万2000品目を超え、その売上構成比は19年度時点で25%超となっている。

ドラッグストア大手の伸びは小幅も、コロナ禍で社会的役割は増大

 一方、DgS企業はほかの業態に比べると伸び率は小幅だった。CVSヘルスの20年の販売額は対前年比8.8%増、5位のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(Walgreens Boots Alliance)では同3.3%増となっている。

 コロナ禍では両社とも、新型コロナウイルスの検査や新型コロナウイルスワクチンの接種などにも対応。CVSヘルスはドライブスルー方式の検査場を4000カ所以上展開し、ウォルグリーンも月50万回規模の検査能力を備える440カ所以上の検査施設を設置するなど、社会的役割を大きく担っている。

 

詳しい解説は、「アメリカ小売業トップ150社ランキング」を完全収録した「米国小売売上トップ150社ランキング ウォルマートもアマゾンも…上位20社中6割が2ケタ成長の真実」をご覧ください。

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記事執筆者

松岡 由希子 / フリーランスライター

米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。

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