インドEC大手のフリップカートが12億ドル調達、ウォルマートが追加出資

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(左)
ウォルマートは2018年に160億ドルを投じてフリップカートを子会社化した(写真左はウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者)

 インドのEC(インターネット通販)大手、フリップカートグループ(Flipkart Group)は7月14日、増資によって12億ドル(約1300億円)を調達する手続きを完了したと発表した。親会社である米ウォルマートを中心とする投資家グループが、増資に応じた。ウォルマートの追加出資額やウォルマート以外の投資家の名前は明らかにしていない。資金は、2021年3月末までに2度に分けて振り込まれる。

 ウォルマートは2018年、160億ドルを投じてフリップカートグループの株式の77%を取得し、子会社化した。フリップカートグループは2007年創業で、ネットモール型EC事業のフリップカート、モバイル決済事業のフォンペ(PhonePe)、ファッションECサイト運営のミントラ(Myntra)、物流事業のイーカート(eKart)を傘下に持つ。

 コンサルティング会社ベイン&カンパニーの予測によれば、インドのEC利用者は2025年に3億人を超える見込みで、世界で最も成長性の高いEC市場と見られている。そのインドのEC市場では、フリップカートとアマゾン・ドットコムが熾烈なシェア争いを演じている。また、今年に入って小売最大手のリライアンス・リテール(Reliance Retail)と通信大手のジオ・プラットフォーム(Jio Platforms)が合弁会社、ジオマートを設立してEC市場に参入、配送対象エリアを200以上の都市に広げており、競争は一段と激しさを増している。

 フリップカートの登録者数は2億人を超え、直近の月間アクティブユーザー数は前年同月比45%増と高成長を維持しているが、新たに調達した資金によって品揃えやサービスを強化する方針だ。

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