他社ネットスーパーの配送に積極的なアマゾン 背景にある2つの動きとは?

小久保 重信(ニューズフロント記者)
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宅配専用「ダークストア」の隆盛

 コロナ禍を背景に、食料品など日々の生活に必要な商品をネットで注文する人が増えている。こうした消費行動を受け、アマゾンは20年10月、オンライン注文から1時間で生鮮食料品を店頭受け取りできるプライム会員向けサービスを傘下の食品SM「ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Market)」全店で始めた。

 また、20年9月にはホールフーズの新業態店として、宅配専用の食品SMをニューヨーク市南部ブルックリンでオープンした。この店舗には客がいない。注文が入ると従業員が棚から商品を集めて、配達するものだ。

 こうしたEC用日用品の物流拠点は「ダークストア」と呼ばれ、最近はこの仕組みを活用した宅配業者が増加し、競争が激化している。米ダウ・ジョーンズのマーケットウォッチによると、米料理・食料品宅配大手ドアダッシュ(DoorDash)は米国でダークストアを25拠点開設。それぞれの施設で生鮮食料品や冷凍食品、地場産品、菓子など2000点以上の商品をそろえている。

15分以内の「超速宅配」が台頭

 一方で、小売大手と宅配代行大手が提携する動きも出ている。20年8月には米ウォルマートがインスタカートと提携しアマゾンへの対抗姿勢を鮮明にした。インスタカートはロサンゼルスやサンフランシスコなどでウォルマートの食料品や日用品、家電製品などを最短1時間で配達している。

 こうした中、最近は、食料品や日用品を注文から15分以内に配達する「超速宅配」がスタートアップ企業を中心に台頭している。マーケットウォッチによると、この市場には「バイク(Buyk))」や「ゴーパフ(GoPuff)」、「ジョーカー(JOKR)」といった企業が参入している。ドアダッシュは21年12月、ニューヨーク市チェルシー地区で超速宅配サービスを始めた。インスタカートもこの分野に参入するとの観測が出ている。

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